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壁を越え、1軍の戦力になった渡邉諒――今ファイターズ打線に必要なパンチ力【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#100】

オープン戦絶好調だった打線は、いざ開幕すると主軸が不調で苦しい状況が続いた。しかしようやく大田が復調し、またここにきて渡邉諒など1軍の戦力となる選手が現れてきた。

2019/04/28

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大田泰示で、打ち勝つ

 GW前の楽天3連戦は(杉浦稔大5回パーフェクトの初戦を失ったわりには)勝ち越すことができたのだ。首位を走る好調楽天に勝ち越せたのは大きい。いや、そもそも楽天戦は大の苦手だ。勝てただけでラッキーな感じがする。昨シーズン、お世辞にも「好調」とはいえない楽天相手に(特に仙台で)やられた印象だ。バカみたいな言い方を許してもらえるなら「楽天の投手が打てなくて、楽天の打者に打たれる」のだ。そりゃ負けるだろう。僕はウィーラーを見ると絶対打たれる気がする。高速バスのウィラーエクスプレスもなるべくなら見たくない。
 
 だもんで開幕早々、仙台で3タテを食らったのもむべなるかなという気持ちでいた。楽天の戦力バランスが良くなってるもんなぁ。ファイターズは「オープナー」や守備シフトで話題を撒いたが、3、4月に関してはとにかく打てなかった。オープン戦の最初の頃、大田泰示と清宮幸太郎が絶好調で、圧勝してたのが嘘みたいだ。開幕後は大田、中田が調子落ち、珍しく近藤健介も不調、勝負強さを見せているのが新加入の王柏融だけという有様だった。本来なら王柏融には日本の投手に慣らす期間を設け、下位を打たせてやりたいところだった。それがクリンアップ固定である。返す返すも清宮の骨折が痛い。打線がこじんまりしてしまった。
 
 皮肉なことにロッテに移籍したレアードが大爆発していて、まぁレアードが春から活躍するのは珍しいのだが、ファイターズ打線の弱味を際立たせた。今季は上位も当たってないのだが、上位で点が取れないとなると下位は全く望み薄なのだ。次に上位にまわるまですごろくの「一回休み」みたいになってしまう。レアードは移籍直前は5番を打つことが多かったが、もっと前、下位打線におさまってたのを思い出してほしい。意外性の打者として時々ホームランを打ってくれた。しかもそれが四球のランナーをおいて2ランだったりして。そういうバッターがいてくれると助かるのだ。
 
 打線のつながりという面で考えても、切れ目があると相手投手はラクチンだ。西川、大田、王、近藤、中田、ここまでは調子を落としていても慎重に投げるだろう。だけど、その先で休めるとなると重圧がかからない。下位にかかれば失投しても大火事にならないのだ。だから興味深いことにサードのポジションを掴んだのは(キャンプから「三人衆」と呼ばれ争っていた大田、近藤、淺間の誰でもなく)横尾俊建だった。横尾は「下位の大砲」を期待されたのだ。
 
 と、ここまで前段が長くなった。GW直前、札幌ドームの楽天3連戦、ファイターズは何と打ち勝ったのだ。これが言いたかった。長い間、打てない試合ばかり見て、うっぷんがたまっていたファンは久々に歓喜だ。楽天戦勝ち越しの殊勲者は大田泰示に尽きる。2戦8安打7打点(2ホームラン)は栗山監督をして「試合前、本人にも言いましたが、これが普通」と大谷翔平級のツンデレ賛辞(?)を言わしめた大活躍。ひとり核になるバッターがいると、打線全体が活気づくのである。オープン戦の絶好調時を思い出した。ぜひここから打線をけん引してもらいたいものだ。

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