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【プロ野球2018年総括】ゴールデンルーキー根尾・藤原の加入でさらなる競争を。今季は躍進への布石<中日・ロッテ>

2018/12/21

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 2018年シーズンを終えた各球団は、来季に向けた補強に乗り出している。フリーエージェント(FA)権を行使した5選手は、交渉を終え来季の居場所を決めた。また、ドラフト指名選手たちも入団発表を終え、プロへの第一歩を踏み出した。
 
 12球団総括の第2回は、中日ドラゴンズと千葉ロッテマリーンズだ。
 

中日ドラゴンズ

 6年連続のBクラスに終わった。
 
 懸案事項だった世代交代は少し進んだものの、チームとして核ができるまでの“布石のシーズン”になった印象は否めない。特に投手陣は防御率がリーグ最下位となり、先発ローテーションの人材不足は顕著だった。
 
 エースを務めるはずの大野雄大が、3年連続でパフォーマンスを落とし、開幕投手を務めた小笠原慎之介は、シーズン途中でけがにより離脱。日本代表「侍ジャパン」にも入った笠原祥太郎、柳裕也、鈴木翔太ら素材はいるだけに、うまくいかせていない。
 
 もともと、中日は守備型のチームだ。防御率を低く抑えることで、僅差を制していく。球場が広いナゴヤドームとなってからの戦い方は「守って勝つ」。そのチームが防御率最下位となればBクラスにいて当然だ。
 
 それでもリーグ最下位にはならず、来季への希望が見出せるのは、リーグ2位の打率をマークした打線があるからだ。
  
 ビシエドが首位打者のタイトルを獲得し、打率10傑の5位以内に、平田良介、アルモンテと3人が占める。160安打以上は、大島洋平を加えて4人。昨季の新人王・京田陽太は2年目のジンクスに泣いたが、プロ入り12年目にして初めて規定打席をクリアした福田永将、伸び悩みの象徴ともいえた高橋周平がそれぞれ100安打をマークするなど、打線は活発になってきた。
 
 よくよくみてみると、6年連続Bクラスながら、中日には、少しずつ復権への兆しが見えている。
 
 どん底といった投手陣は、先発ローテこそ人材探しに窮しているが、ブルペンは整備されつつある。シーズン途中から3年目の佐藤優がリリーバーとして活躍し、終盤にはクローザーを担った。ルーキーの鈴木博志はチームトップの53試合登板と多くの経験を積み、祖父江大輔も19ホールドポイントをマークしている。田島・又吉・福谷・谷元らが復活してくれば、後ろは安定してくるのだ。
  
 また、来季はゴールデンルーキー・根尾昂が入団する。チームは彼をどう一人前に育てていくかという重責を担うが、少しずつ上位進出への兆しが出てきている中でのゴールデンルーキーの加入はチームにとってきっと大きなプラス要素をもたらすに違いない。このタイミングで指揮官がOBの与田剛にスイッチしたのもいい縁だ。広範囲の守備力が定評の根尾は、守備型スタイルの中日に合致するはずだし、これからの中日を支えるだろう。
 
 打線はいい、野手はでてきた。ブルペン陣も目処がたった。ゴールデンルーキーが加入にしてくる。あとは先発ローテーションをどう作っていくか。
 
 ベテランの吉見一起が復調の兆しを見せ、フィーバーを巻き起こした松坂大輔の存在はありがたい。だが、そうそう、彼らばかりに頼ってもいられない。先発陣を立て直せば、状況は一変するに違いない。

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