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田中や岩隈との共通点 弱冠20歳にして”普通に投げれば勝てる投手”になりつつある大谷翔平

投手・大谷翔平は、弱冠20歳にしてすでに「次元が違う」投球内容になりつつある。田中将大や岩隈久志同様に、普段通りの実力を出されたら日本球界の打者たちでは太刀打ちできないレベルにまで来ているのではないだろうか。

2015/04/16

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すでに日本球界は狭すぎる?

 もう日本球界は狭すぎるレベルになりつつあるのではないか。そう思わせるような圧巻の投球内容だった。

 北海道日本ハムファイターズの大谷翔平が、4月12日の福岡ソフトバンクホークス戦で、リーグトップの3勝目をマークした。7回を投げ無失点、9奪三振。打者26人に対し、外野まで飛ばされた打球は4本だけ(うち安打は1本)。いかにここ数試合、湿りがちのホークス打線が相手とはいえ、その内容は「次元が違う」という言葉がぴったりだった。

 好投手の条件とは何か。球速がある。コントロールが良い。ゲームを作れる。負けん気が強い。勝ち方を知っている。技術的なことからメンタル面の要素まで、いくつもの条件が思い浮かぶが、この日の大谷の投球内容の凄さは「普通に投げれば勝てる」という表現が適していると思う。

 つまり、自分の力さえ出せれば、抑えることができる投手。もちろん、試合では相手打者と対戦するわけだが、ポイントはその打線との力関係ではなく、大谷が普段通りの投球を披露できるかどうか。要は、己との戦いになっているわけだ。日本球界でプレーしていた頃のダルビッシュ有や田中将大と同じように、普段通りの実力を出されたら日本球界の打者たちでは太刀打ちできないレベルにまで来てしまっている。そう映った。

 課題がまったくないわけではない。立ち上がりの制球力の不安定さは相変わらずで、この試合でも初回に内野安打と2四球が絡み無死満塁のピンチを招いた。1死後、李大浩の強烈な一塁ライナーがダブルプレーとなり、結果的にゼロに抑えるというラッキーな面があったことは確か。ただ、逆に言えば、課題はその一点だけだ。

 無難に立ち上がる術を見つけ、下位打者には力をセーブしながら、主力打者には力を入れてという投げ分けを覚えたら……いわゆる勝ち方を知る投手になれば、つけ入るすきのまったくない完璧な投手が誕生することになる。

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