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「クローザー有原航平」に期待するアグレッシブな投球。闘争心を取り戻せ!【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#78】

栗山英樹監督が大胆な策に打って出た。今季、先発で結果が出ない有原航平のクローザー起用だ。

2018/06/16

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本当の有原を思い出せ!

 有原の低迷の裏にもしかすると肩の状態であるとか、僕の知り得ない理由があるのかもしれない。が、外から見てる分にははっきりしている。迫力不足なのだ。まっすぐの威圧感が足りない。よく指摘されるように内角を攻めないから、相手打者が踏み込んで来る。球が速くて、外一辺倒の組み立てで何とかなってしまうからスタイルを変えない。また最高のカットボールを持っていて、それを使えば打者の芯を外して、言っちゃ悪いが「手抜き」ができる。剛球を3つ使って三振を取るより、カット1球で打ち取るほうが効率的だ。
 
 だもんで有原の投球はどんどん微温的になっていく。三振を取って吠えるような熱い投球でなく、淡々と投げ淡々と打ち取る感じになる。僕は冗談でよく「有原は幽体離脱する」と言うんだけど、淡々とやってるうちに魂が抜けて、「本当の有原」がどこかへ行ってしまうのだ。まぁ、「幽体離脱」していてもそこそこ抑えきるのは才能の大きさとしか言いようがないんだけど。
 
 だから「クローザー有原」に期待するのは、体力温存を考えた省エネ投法などでなく、一人一人の打者と勝負するアグレッジブなピッチングだ。クローザーは1球目から全力で行かなきゃならない。絶対に三振が必要になる場面もある。投手の原点は闘争心だ。「色んな景色」を見るなかで、有原にそれを取り戻してほしい。
 
 阪神戦、「クローザー有原」は1球目から151キロのストレートを投じた。福留をセンターフライ、糸井を三振に切って取る。が、そこから粘られてしまう。中谷ヒット、鳥谷ヒット、伊藤隼太にフェンス直撃のタイムリー3ベース。スコアは8対7まで行く。ヒット1本で同点。僕も「面白いなぁと感じ入る」どころじゃなくなった。ネット上に「有原劇場」の書き込みが並んだ。僕自身も友人に「劇場型有原」とLINEしていた。
 
 だが、最後の最後、原口をフォークで三振に仕留め、記念すべきキャリア初セーブである。この先どうなるかわからないが、また一つ、ファイターズ野球に面白い要素が加わった。

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