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セ・リーグ“魔の交流戦”に突入、序盤の戦いぶりは? DeNA・阪神・巨人の三つ巴の面白さ、松坂効果で士気上がる中日【小宮山悟の眼】

開幕から2カ月が過ぎ、交流戦が始まったプロ野球。今回はセ・リーグ6球団の序盤の戦いぶりを振り返る。

2018/05/30

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光る松坂大輔の存在感、ヤクルトは成長株に期待

 一方の下位2球団は、中日ドラゴンズに関しては松坂大輔の頑張りが与える影響は大きいだろう。
 
 中日のナインにとって「松坂大輔」はレジェンド。そんな男が目の前で必死に投げる姿を見れば、頑張ろうという気になるに違いない。
 
 ソフトバンクのファームでくすぶっていた頃を思い返すと、存在感の大きさに改めて驚かされる。大輔に引っ張られてみんながいいプレーをしていることが、粘り強い戦い方に繋がっているのではないか。
 
 最下位の東京ヤクルトスワローズは昨季に続き、苦しいシーズンになっている。しかし、将来への明るい兆しは見えているので、現在の順位を悲観しすぎることはないだろう。今は2軍にいる廣岡大志ら若い選手たちが覚醒しそうな雰囲気を出している。2年後、3年後に、本物のプレイヤーに化ける予感がする。その選手たちが育ち、他球団に引けを取らないプレーできるようになる日は近いだろう。
 
 今後の展開を予想すると、広島が優位であることに変わらない。2~4位のチームがオールスターブレイクまで5割をキープしながらどのように戦い方に整理していくかがポイントになる。巨人は菅野智之という大黒柱がいる。彼が壁のような存在になっているのは大きい。DeNA投手陣にはそのような存在がいないのが不安材料だ。
 
 セ・リーグからすると、“魔の交流戦”が始まった。毎年のように苦しい戦いが繰り広げられる中、各チームは上位との差を空けられないようにしっかりとついていきたい。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。
 
 
氏原英明

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