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デスパイネ、キャリア通算500本塁打なるか キューバ人初の快挙への期待と予期される議論の過熱

2018/05/29

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デスパイネの本塁打記録を報じた『クーバ・デバーテ』のスクリーンショット。



 福岡ソフトバンクホークスのアルフレド・デスパイネ外野手は今季、日本球界5年目を迎えた。2014年に千葉ロッテマリーンズでNPBデビューを飾り、17年にソフトバンクに入団。今月25日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦で放った今季11号本塁打は、NPB通算100号というメモリアルアーチとなった。母国キューバでも複数メディアがこのニュースを報じている。
 
 日本でもMLBでプレーする選手のニュースが日々報道されているように、キューバでも日本でプレーするキューバ人選手の動向が報じられている。デスパイネの日本通算100号は複数メディアによって報じられており、中でも『クーバ・デバーテ』は「デスパイネは500号へ到達できるのか」と今後の動向に注目した記事を配信している。
 
 27日の試合でもホームランを放ったデスパイネは、現在日本での通算本塁打数を101本に伸ばしている。これにキューバ国内リーグでの240本と、メキシコリーグ参戦時代(2013~2014年)の13本を足した354本が彼のリーグ戦での通算本塁打数である。
 
『クーバ・デバーテ』ではデスパイネが、現在キューバ人選手の生涯通算本塁打数で6位に位置している紹介。現在1位にいる通算487本塁打のキューバ球界伝説のスラッガー、オレステス・キンデラン氏にどこまで迫れるかと言及している。キンデラン氏の487本はすべてキューバ国内リーグで放たれたものであり、2位オマール・リナレス氏の415本は中日ドラゴンズ時代(2002~2004年)の11本が含まれている。
 
 ジョエル・ガルシア記者は、キンデラン氏の記録を超え、さらにキューバ人選手前人未到の500号到達の可能性について「キューバで、日本で、あるいはこれまでのように両国リーグ掛け持ちでも、3シーズン以上のプレーが必要となる。彼は2020年の東京五輪以降の去就については決めていないようだが、500号の壁を破るというモチベーションは(去就に)影響してくるだろう」と述べている。
 
 また、ガルシア記者は、仮にデスパイネが日本、キューバ、メキシコでの合算でキンデラン氏の記録を抜いた場合、それはキューバ人記録と扱うのは正当なのかという議論も起こるだろうとも言及している。
 
 日本人メジャーリーガーの活躍により、日米合算記録の扱いについての議論は日本でもしばしば論じられてきた。今後も日本でプレーするキューバ人選手は増加するであろうし、こうした議論がキューバでも増えてくるのも時代の流れなのであろう。それでも、確かなのは、デスパイネのホームランがキューバで、そして日本でも多くのファンを魅了していることだ。6月で32歳になるデスパイネ、まだまだその打棒で我々を楽しませてくれそうだ。
 
 
文・高橋康光