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プロ野球序盤戦、12球団の戦いぶりは? パは首位快走・西武にも課題あり、楽天は則本の復調に光明【小宮山悟の眼】

開幕からまもなく2カ月を迎えるプロ野球。今回は12球団の序盤の戦いぶりを振り返りたい。まずはパ・リーグだ。

2018/05/23

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長距離打者不在に苦しむロッテ

 今季もホームランバッターの不在に苦しむのが5位の千葉ロッテマリーンズ。30本塁打をマークできる選手が1人いるだけで雰囲気が変わるが、ドミンゲスではやや物足りない。ただ、今年の戦い方は足を絡めて得点するという方針。先発陣が5回、6回までゲームをつくって勝ち星を拾っていくことが重要だろう。
 
 先発で活躍が期待された二木康太はここまで2勝2敗。安定したパフォーマンスを2、3年続けて発揮することの難しさを痛感している時期と言える。
 
 開幕前の予想を大きく裏切っているのが最下位・東北楽天ゴールデンイーグルスだ。
 
 梨田昌孝監督が思い通りの采配を振るえていないのが気がかりだ。開幕前にチームを支えてきた星野仙一さんが亡くなった影響があるのだろう。チーム内のショックも相当だろう。
 
 球団を日本一に導いた存在でもあり、恩師と慕う選手も多い。心にぽっかり穴が開いた状態の選手もいるに違いない。選手は「星野さんのために」という想いを抱えているだろうが、成績が伴わないとあれこれ悩んでしまうこともある。
 
 しかし、最悪の状態は脱したと言える。岸孝之がこれまで一人で奮闘してきたが、ダブルエースのもう一人、則本昂大の状態が上がってきた。投打ともに能力の高い選手がそろっているので、かみ合えば一気に上昇できる可能性はある。
 
 6チームの2カ月を振り返ると、プラス要素が想像できるチームはまだ期待がもてる。楽天はどん底から這い上がっている段階だ。今後の展開次第で上位との差は詰められる。9月はデッドヒートを繰り広げてほしい。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。
 
 
氏原英明

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