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過去3年、開幕15試合で貯金なし DeNAベイスターズ、2015年は開幕スタートダッシュなるか?

2012年に横浜DeNAベイスターズとなって以来、開幕15試合で貯金がない。昨年も結局、開幕直後の借金が順位に大きく影響しただけに、できれば開幕スタートダッシュといきたいところだ。

2015/03/28

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 3月15日に横浜スタジアムで行われたオープン戦で、DeNAは、オープン戦では05年の実数発表以来最多となる2万4829人という観客動員を記録したというニュースが報じられた。
 ファンクラブ会員なら無料でオープン戦を観戦できるという点もあるとはいえ、公式戦ではないにも関わらず横浜スタジアムをほぼ満席にしたのは驚くべきことだろう。
 
 開幕後の横浜スタジアムのチケットの売れ行きも好調で、DeNA買収後右肩上がりとなっている観客動員は、今年もさらなる伸びを期待できそうな勢いである。
 実際に2012年は本拠地主催試合で1,165,933人が、昨年は15,645,428人と、この3年間で実に34%も伸びている。
 
 その好調な観客動員を支えるのは、サービスをはじめとした経営努力の成果であり、何よりチームへの期待感に他ならないのではないだろうか?
 DeNA体制下のオープン戦と開幕戦を迎えた時の状況をまず振り返ってみたい。

年々、選手が整備されてきた

2012年(オープン戦3位、最終順位:6位)
開幕オーダー
1 遊 梶谷  打率.347
2 二 石川  打率.178
3 一 小池  打率.361
4 三 中村  打率.147
5 右 金城  打率.281
6 左 森本  打率.184
7 中 荒波  打率.231
8 捕 黒羽根 打率.188
 
開幕ローテーション
高崎  防御率3.50
ブランドン  防御率3.27
三浦  防御率5.14
国吉  防御率0.00
山本  防御率1.50
ジオ  防御率1.53
※選手名右の成績はその年のオープン戦のもの。
 
 この前年に主砲村田がFA宣言して移籍、そしてラミレスを獲得したもののオープン戦中に肉離れ。
 前年シーズン途中に獲得した浪人中の中村紀洋も、打率.209の1本塁打に終わっていたことからあまり大きな期待感はなく、開幕前から苦戦が予想されていた。
 
 しかしながら、この年から指揮をとる中畑監督は『せこいぜ野球』を標榜し、キャンプ時に見出した梶谷隆幸を積極的に起用。
 オープン戦打率.347という高打率にオープン戦盗塁王に輝き、新星として大きな期待を抱かせた。
 投手陣も国吉がオープン戦を無失点で終えるなど、先発ローテーション投手の調整も順調で、オープン戦順位も3位と好調。
 オーナー企業の交代、新戦力の台頭も期待され、開幕前の期待は高まっていた。
 
 だが開幕戦の初回、梶谷の良い当たりを鳥谷のファインプレーに阻まれたのが、何かの暗示だったか、開幕戦こそどうにかこうにか引き分けに持ち込んだものの、その後前田健太にノーヒットノーランを決められるなど4試合連続無得点と打線の不調が深刻化。オープン戦盗塁王に輝いた梶谷も、開幕後は当たりが止まり、開幕15試合を4勝10敗1分と大きく負け越すスタートとなった。
 
開幕15試合 4勝10敗1分
 
2013年(オープン戦8位、最終順位:5位)
1 遊 石川  打率.246
2 二 内村  打率.313
3 右 モーガン  打率.152
4 一 ブランコ  打率.300
5 左 ラミレス  打率.308
6 三 筒香  打率.125
7 中 荒波  打率.299
8 捕 高城  打率.204
 
開幕ローテーション
藤井  防御率1.32
三浦  防御率2.08
鄭  防御率1.50
ソト  防御率1.50
井納  防御率2.81
高崎  防御率9.00
※選手名右の成績はその年のオープン戦のもの。
 
 前年、それなりに高い期待感を持ってシーズン開幕を迎えたものの、梶谷・国吉といった若手が伸び悩み、最下位から脱出は果たせなかった。
 この年のオフには積極的に戦力補強に動き、中日からブランコ、ソト、ソーサを獲得。さらにメジャーリーグでの実績もあるモーガンも獲得し、鼻息の荒いオフとなった。
 投手陣もオープン戦は藤井、三浦といったベテランに新戦力の鄭、ソトにルーキー井納もオープン戦で存在感を見せ、オープン戦順位は8位ではあったものの、前年よりも戦力の充実は感じられた。
 
 開幕後は1試合3ホーマーを記録するなど、新戦力ブランコの打棒が爆発。
 ラミレスも外国人選手初となる2000本安打を放つなど、打線は前年と変わって好調だったが、度重なるラミレスの拙守や梶谷のセカンドベースカバーを忘れる痛恨のエラーなどもあり、痛い星を落とすこともしばしば。
 それでも開幕15試合は何とか五分五分に近い7勝8敗で終える。
 
開幕15試合 7勝8敗
 
2014年(オープン戦7位、最終順位:5位)
1 二 石川  打率.245
2 遊 山崎  打率.184
3 右 梶谷  打率.271
4 一 ブランコ  打率.286
5 左 筒香  打率.360
6 三 バルディリス  打率.231
7 中 金城  打率.306
8 捕 黒羽根  打率.250
 
開幕ローテーション
三嶋  防御率7.07
井納  防御率6.75
久保  防御率1.64
尚成  防御率2.25
三浦  防御率5.25
モスコーソ  防御率5.40
※選手名右の成績はその年のオープン戦のもの。
 
 前年ルーキーながら先発投手として結果を残した三嶋、井納がオープン戦で結果が出ず、先発転向してオープン戦で結果を残していた加賀が故障するなど、先発投手陣に不安を感じながらの開幕。
 一方、打撃陣は前年二冠王に輝いたブランコ、夏場に覚醒の兆しを見せた梶谷に復調の気配を見せつつあった筒香など楽しみな存在も多かった。
 
 開幕戦はオープン戦で結果を残せなかった三嶋が開幕投手を務めるも打ち込まれ、開幕直後から黒羽根の死球による骨折や、主砲ブランコも肉離れによる離脱と故障者が相次いだ。
 4月2日の巨人戦では8回まで5点あったリードを守りきれず、大逆転負けを喫するなど勝ち星に恵まれず、開幕15試合は4勝11敗と大きく負け越す結果に。5月以降は巻き返したが、開幕ダッシュに失敗し、4月だけで積み重ねてしまった借金11はあまりにも大きい負債となった。
 
開幕15試合 4勝11敗

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