今季の活躍は想定内？想定外？2016年ドラフト1位指名12人の現在地
2017/10/19
パ・リーグのドラ1ルーキーたち
パ・リーグでは、4人が1軍の舞台を経験。特に、オリックスの山岡泰輔はルーキー離れした安定感を見せ、オリックスの先発ローテーションを守った。しかし、西武のドラ3ルーキー・源田壮亮が史上4人目となるフルイニング出場を達成するなど、数々の記録を樹立したことから、新人王争いは源田がリードしている。
また、ソフトバンク・田中正義と西武・今井達也の2人は、今季は1軍出場無しとなった。
ソフトバンク・田中正義(創価大)
昨年のドラフト会議で5球団競合の結果、ソフトバンクに入団した田中正義。大学2年の頃に、ユニバーシアード代表とNPB選抜の試合で7者連続三振を奪う活躍を見せ、一躍注目選手となった。
即戦力としての期待が高かったが、今季は右肩炎症などに悩まされ1軍登板はゼロ。しかし、みやざきフェニックスリーグでは最速150キロをマークするなど復活の兆しを見せている。
今季、ソフトバンクでは2012年の大卒ドラフト1位・東浜巨が5年目で大ブレークを果たし、最多勝のタイトルを獲得するなど飛躍を見せた。戦力層が非常に厚いチームなだけに、現在は焦らずに数年後を見据えて成長を目指すことも可能だろう。
西武・今井達也(作新学院)
西武から単独1位指名を受けた今井。この年にFAで移籍した岸孝之の背番号”11”を背負うこととなり、球団からも大きな期待を寄せられている。
しかし、今季は度重なる故障に苦しめられ2軍でも登板機会が少なくなってしまった。甲子園優勝投手となるなど素材は悪くないだけに、まずはプロの世界で戦い抜くことができるような体作りをして未来への土壌を培いたいところだ。
楽天・藤平尚真(横浜)
楽天から単独1位指名を受けプロ入りを果たした藤平。高校時代は名門・横浜高校のエース投手として君臨した。また、楽天入団後は野村克也氏が監督時代に背負っていた背番号「19」を背負うこととなった。
2軍で開幕投手を務めるなど周囲の期待も高かったが、藤平はそれに応え好成績をマーク。そして、6月16日の阪神戦でプロ初先発。5回2失点でプロ初黒星を喫したが、3試合目となった8月22日のロッテ戦でプロ初勝利を手にした。
シーズンでは3勝という数字になったが、2度も大型連敗を止める好投を見せ、高卒ルーキーの若い力が不振に苦しむチームの雰囲気を一変させた。
オリックス・山岡泰輔(東京ガス)
オリックスから単独指名を受けプロ入りを果たした山岡。春季キャンプから1軍に帯同し、4月13日のロッテ戦でプロ初先発も、6回3失点で敗戦投手に。その後、好投を見せながらもプロ初登板から6試合連続で白星から見放される憂き目にあったが、5月28日のロッテ戦でようやくプロ初白星を手にした。
その後も大きな故障離脱をすることなくローテーションを守り続けたが、なかなか打線の援護に恵まれず8勝11敗と3つの借金を背負って今季終了となった。また、シーズン佳境の4戦で防御率が3点付近から3点台後半まで悪化してしまったが、1年目からプロの舞台で堂々たる活躍を見せた。
日本ハム・堀瑞輝(広島新庄)
日本ハムから外れ外れ1位で指名を受けた広島新庄高校出身の堀。今季は開幕から2軍に帯同し、結果を残したことから8月にプロ初登板を果たす。救援として3試合に登板後、8月下旬に一度登録抹消となった。
そして、9月29日の楽天戦でプロ初の先発マウンドへ。5回1失点と試合を作ったが、打線の援護に恵まれずプロ初黒星を喫した。しかし、来季以降の飛躍に期待を持てるマウンドとなった。
ロッテ・佐々木千隼(桜美林大)
ドラフト会議では田中正義(ソフトバンク)を抽選で外した4球団、柳裕也を外したDeNAの計5球団が競合し、ロッテに入団することとなった佐々木。
4月6日の日本ハム戦でプロ初登板を果たし、5回1失点の好投でプロ初勝利をマーク。しかし、その後は安定感を欠く投球が続き、7月からは約2か月2軍生活となった。
しかし、9月に1軍に再昇格してからは別人のような投球を披露。1軍復帰後は4試合に登板して26イニングを投げ、2勝0敗で失点はわずかに4と安定感が出てきた。また、9月13日の日本ハム戦では9回1失点の快投でプロ初完投勝利をマークした。
今季のロッテは最下位に沈んでしまったが、来季以降はドラ2ルーキー・酒居知史と共にチームを支えることが期待されている。