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今季の活躍は想定内?想定外?2016年ドラフト1位指名12人の現在地

2017/10/19

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セ・リーグのドラ1ルーキーたち

 今季はセ・リーグのドラ1ルーキーは全員が1軍出場を果たした。しかし、1軍で目立った活躍を残したのは阪神・大山とDeNA・濱口の2人のみ。新人王争いも中日のドラ2・京田と濱口が一騎打ちの様相を呈している。
 
広島・加藤拓也(慶大)
 
 慶応義塾大学から広島に入団した加藤。4月7日のプロ初登板では、9回一死までノーヒットノーランの快投を見せ、話題となった。
 
 しかし、その後は大学時代から不安視されていた制球難が露呈して結果を残せず、今季は6月23日の阪神戦を最後に1軍のマウンドに立つことはなかった。
 
 2軍でも四球はやや多めとなっているが、それを補って余りある力強い直球・落差のあるフォーク・鋭い変化のスライダーは魅力的だ。課題の制球難を改善すれば、大化けする可能性は大いにある。
 
阪神・大山悠輔(白鴎大)
 
 阪神から単独指名を受けて入団となった大山。出身のつくば秀英高校には、2学年上にオリックス・塚原頌平、同学年には西武からドラフト2位で指名された中塚駿太投手が在籍していた。
 
 ルーキーながら1軍キャンプに抜擢されるも、チーム方針により2軍で下積みを積むことに。そして、6月23日の広島戦で1軍戦プロ初出場を果たすと、7月1日のヤクルト戦でプロ初安打となる3ランを放ち、プロ初本塁打・初打点も同時に記録した。そして、一時期はルーキーながら4番に座ることもあり、様々な経験を積むことができた1年となった。
 
 主に一塁・左翼を守るが、二塁・三塁も1軍公式戦で守っており、ポジションを選ばず出場できるユーティリティさも兼ね揃えている。
 
DeNA・濱口遥大(神奈川大)
 
 ベイスターズの地元・横浜市に所在する神奈川大学からDeNAに入団した濱口。ちなみに、濱口の出身は神奈川県ではなく佐賀県である。
 
 柳裕也・佐々木千隼の外れ1位として指名された濱口だったが、オープン戦から先発で好投を続け、開幕ローテーション入りを果たす。プロ2戦目となった4月9日の中日戦でプロ初勝利をマークしたが、5月はやや調子を落とす。その後、セ・パ交流戦では先発した3試合で全勝を記録し、オールスターにも監督推薦で出場が決まっていた。
 
 しかし、7月12日の広島戦で左肩の違和感を訴えて降板後、登録抹消に。オールスターも辞退となったが、8月13日の阪神戦で1軍復帰。先発ローテーションを守り続け、シーズン最終戦で節目の10勝目に到達した。
 
 四死球が多く制球面に不安を残しているが、改善すれば更に成績が向上する伸びしろもある。また、中日・京田陽太との新人王争いも盛り上がりを見せている。
 
巨人・吉川尚輝(中京学院大学)
 
 巨人から外れ外れ1位指名を受けて入団することとなった吉川尚。
 
 5月9日に1軍初昇格を果たすもプロ初安打は出ず、今季は2軍生活が長く続いた。しかし、シーズン最終戦には2番・二塁として先発出場し、第1打席でプロ初安打をマークすると、第2打席・第3打席でも安打を放ちプロ初の猛打賞を記録。また、同試合では盗塁も決めた。
 
 今季、巨人ではマギーがシーズン途中から正二塁手として定着したが、村田修一の退団で定位置を奪うチャンスが生じた。今季は2軍で下積みを積んだが、来季は1軍に帯同して出場機会を得ることはできるだろうか。
 
中日・柳裕也(明大)
 
 横浜高校・明治大学を経て、中日・DeNAの競合の末に中日に入団することとなった柳。1年目から即戦力右腕としての活躍が期待されたが、故障の影響でプロ初登板は5月23日のDeNA戦となった。
 
 そして、6月3日の楽天戦ではプロ初の先発マウンドへ。6回4失点でプロ初黒星とほろ苦い先発デビューとなったが、先発3戦目となった6月18日の西武戦では7回3失点と好投しプロ初勝利を手にした。
 
 しかし、7月22日の登板を最後に故障で戦線離脱。その後、2軍で復帰登板を果たすこともなくシーズン終了となった。まずは故障を治して、来季は万全の体調で1軍に帯同したいところだ。
 
ヤクルト・寺島成輝(履正社)
 
 ヤクルトから単独1位指名を受け、セ・リーグ唯一のドラ1高卒投手となった寺島。球団も1年目から背番号18を与えるなど、期待の高さが窺えた。
 
 そんな寺島は、今季は2軍で下積みを積み、シーズン佳境の9月30日の中日戦でプロ初先発を果たす。しかし、3回5失点とプロの洗礼を浴びるほろ苦い先発デビューとなった。
 
 一方、2軍では好成績を残しており、来季以降に更なる飛躍を遂げることが期待される。

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