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西武・十亀、魔球シュートは「楽する球」。先発ローテの中心へ、鍵握る投球スタイルの使い分け

埼玉西武ライオンズの十亀剣投手が調子を上げてきた。その鍵を握るのは、使い方を変えたある球種。プロ入り6年目を迎えた右腕は、好不調の波が激しい「両極端の投手」を脱し、先発不足が続くチームを支えられるか。

2017/06/12

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「なんだ、あれ」と思わせるシュート

 開幕ローテーションから外れたものの、5月18日のロッテ戦以降4度の先発で3勝をマーク。今季、西武の先発6番手からスタートした十亀剣が調子を上げてきた背景には、一つの球種がある。
 
 十亀にとって今季の交流戦初戦となった6月1日、強力カープ打線を6回2点に抑えたポイントがシュートだった。
「相手にとって、『なんだ、あれ?』という球が一番嫌だと思います。そういうイメージで投げていますね」
 
 右打者には140キロ前後の球が体の近くに食い込み、左打者の外角に逃げながら沈んでいく。オリックスの金子千尋が操るパワーシンカーのような軌道だ。日本には使い手が少ないという希少価値、そして「なんだ、あれ?」という打者の反応から、思わず“魔球”という言葉が浮かんだ。
 
 しかし、十亀自身は「ウイニングショットではない」と言い切る。
 
「ゴロが欲しいときにすごく有効ですね。シュートで三振をとってやろうとはまったく思っていません。僕自身にとっては、楽をする球です」
 
 この試合で十亀が“楽をできる”ようになったのは、2回に松山竜平の2ランで先制されて以降だ。5人の左打者と4人の右打者をジグザグに並べたカープ打線に対し、3回から攻め方を変えている。
 
「3回から(左打者の)外にシュートを投げていたら、あまりバットに当たる気配がなくて。明らかに『なんだ、これ?』みたいな空振りの仕方だったので、そんな楽な球はない、と。初球で終われますし、三振をとれますしね。それをキャッチャーと二人でちゃんと理解して投げていたので、勝ちを拾えたと思います」

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