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ブルペン崩壊の巨人、目指すは「山口依存からの脱却」。鍵を握る”ピアニスト”の新人左腕

読売ジャイアンツが本拠地・東京ドームで昨季セ・リーグ覇者の広島東洋カープに3タテされた。現在巨人で安心できるリリーバーは、スコット・マシソン投手のみと不安を露呈している。首脳陣はブルペンのテコ入れを行ってはいるが、明確な戦略は見えてこない。一刻も早くリリーフ陣を固められるのか、由伸巨人は大きな壁にぶち当たっている。

2017/04/14

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勤続疲労で背番号47に見える極度の衰え

 由伸巨人が昨年のチャンピオンチームに圧倒された。
 
 広島との今季初対戦は本拠地東京ドームで好調赤ヘル打線の餌食となり、3戦計29失点で屈辱の3タテ。これで開幕5連勝スタート直後の4連敗となった。
 10連勝と猛烈な開幕ダッシュを見せる広島とは対照的に巨人は戦前の不安要素が早くも露呈してしまっている。
 それは長年チームを支え続けた「ブルペン陣の崩壊」である。
 
 山口鉄也、スコット・マシソンの鉄壁のセットアッパーコンビ。そして13年最多セーブを獲得した西村健太朗、同じく16年最多セーブの澤村拓一。
 通称“スコット筋肉鉄太朗”、原巨人時代の強さはいわば彼ら鉄壁ブルペンをベースに成り立っていたと言っても過言ではない。
 
 しかし、9年連続60試合登板とフル回転し続けた山口鉄は勤続疲労に苦しみ、西村や澤村と歴代クローザーも故障や不調で1軍にはいない。
 
 開幕前に右肩痛で離脱した澤村の代役抑え投手の新外国人右腕アルキメデス・カミネロにしても、13日の広島戦で1点リードの9回にマウンドに上がるとあっさり逆転を許し、今後の起用法に不安を残した。
 現在、頼れるリリーバーはマシソンひとりという状況。その剛腕も昨季までの在籍5年間で通算300試合登板と明らかに登板過多だ。
 
 とりわけ、ここ数年の巨人を悩ますのは「元最強セットアッパー山口鉄也の極度の衰え」だろう。
 
 思えば、巨人が五冠を達成した2012年の山口鉄は144試合のちょうど半数の72試合に登板。
 3勝2敗5セーブ、驚異の防御率0.84。47ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手賞を獲得した。
 
 さらに中日とのCSファイナルステージでは4試合に登板。日本ハムとの日本シリーズでも3試合を投げ胴上げ投手。しかも、真夏のオールスター第1戦でもマウンドに上がっている。
 すべて合計するとちょうど「年間80試合登板」という規格外の鉄腕ぶり。
 
 まさに原巨人の栄光は、最高で最強の背番号47の左腕に支えられていた。

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