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待望の「素材型」エース候補。阪神・望月は金本&掛布両監督の期待に応えられるか【2017年ブレイク期待の選手】

これまでの阪神にはあまりいなかった「本格派のエース候補」。急成長を遂げた2年目右腕・望月惇志の今季は要注目だ。

2017/02/02

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参考にしたフォームは藤川球児

 当時、阪神の2軍がそんな状況に陥っていた理由は、1軍がそういうタイプの選手を求めることに加え、スカウティング段階で冒険をせず「素材型」の選手を獲得してこなかったことに尽きる。
 
 しかし近年、阪神のスカウティング、ドラフト戦略には少しずつだが変化が見られてきた。野手でいえば2013年ドラフト2位の横田慎太郎や2014年ドラフト3位の江越大賀のように、スケールの大きなタイプの打者を獲得。昨季はこの二人も、レギュラーとまではいかなかったが1軍でしっかりと戦力として機能した。
 
 そして、投手陣の中で彼らのように、将来を夢見たくなる楽しみな「素質」を持つのが今季2年目を迎える望月惇志だ。横浜創学館から2015年ドラフト4位で入団し、1年目は、シーズン最終戦となった10月1日の巨人戦で1軍初登板。自己最速の153キロを記録するなど、1イニングを無失点に抑える上々のデビューを飾った。188センチの長身から常時140キロ台後半~150キロ台前半の直球を投げ込み、「自信はある」と語るスプリットのキレ味も抜群。
 
 投球フォームは藤川球児を参考にしたというが、どちらかといえば黒田博樹を彷彿とさせる「見栄えの良い」フォーム。1年目の昨季は開幕当初こそ体力不足を掛布2軍監督に指摘されるシーンがあったが、トレーニングを積んで1年間で体重は約10キロ増。当初「3年計画」を目指していた球団の想定を上回るペースで急成長を果たした。
 
 直球の最速も高校時代は148キロだったが1年で5キロアップに成功。まだまだ伸びしろがありそうな19歳には、金本監督の期待も大きい。「将来のエース候補」と公言し、秋季キャンプでは1軍にも抜擢した。1年間面倒を見た掛布も「1軍の環境でどうやって成長していくか。僕らの顔を見ないことがベスト。そうならなきゃいけないし、なってほしい」と、早くも「2軍卒業」を厳命。
 
 まだまだ球にバラつきがあり、制球力に課題を残すことは確か。それでも望月が、過去に金本、掛布両氏が語った「チームの核になれそうな選手」の一人であることは、間違いない。

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