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楽天・茂木、新人王逃すもチームトップの打率。球団初フルイニング出場を目指し、球界を代表する遊撃手へ【2016年ブレイク選手】

今季下位に低迷した楽天にとっての光はルーキー・茂木の活躍だった。

2016/12/17

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三塁手で入団も、遊撃手として即結果を残す

 新人王にはあと一歩届かなかった。
 しかし、下位に低迷した今季の東北楽天ゴールデンイーグルスにとってのかすかな光だったいえるだろう。
 ルーキーの茂木栄五郎がショートストップとして117試合に出場、打率はチームトップの.278をマークし、長打率は同2位の.408と好成績を残した。

 新人王はパリーグ優勝の北海道日本ハムファイターズ高梨裕稔にもっていかれたが、たとえ、茂木が獲得していても異論はなかったはずだ。

 それほど、茂木の活躍は鮮烈だった。
 とくに、バッティング技術の高さは特筆ものだ。

 ボールに合わせにいくのではなく、しっかりと振りぬいていく。
 体の遠心力を使ってバットをボールにぶつけていくそのスタイルは、身体の大きさこそ違えど、金本知憲(阪神・現監督)を彷彿とさせる。ヘッドを効かした力強いスイングと軌道は鉄人とそっくりだ。

 実は、これには理由がある。
 楽天番記者の話によると、そのヘッドが効く特徴が出るのは茂木が使用しているバットに起因するらしい。「直角ヘッド」という910グラムのもので、バットの先に重みがある。手先だけでは振り切れない操作が難しいものである一方、体全体でうまく使いこなせたときにヘッドが効くのだ。体が小さいが、それでも長打率が高いのはその特質なバッティングスタイルが生んでいる。

 茂木の打撃は今春キャンプ中から評判だった。
 そのヘッドが効いたスタイルに首脳陣たちが魅せられたというのは納得のいく話だ。

 ただ、茂木のこの1年が素晴らしかったのは、もともとは三塁手で入団した選手だったということである。

 担当の沖原佳典スカウトによれば「ショートは厳しい」という評価で入団した。しかし、チームがFAで今江敏晃(来季より年晶)を獲得していたこともあり、茂木の居場所は長く不在となっていたショートしかなかった。そこには同期の吉持亮汰、西田哲朗、三好匠などがひしめいていたが、茂木は不慣れでありながらも順応し、割って入ったのである。

 もちろん、持ち味のバッティングを生かすために長く起用を続けた梨田昌孝監督の我慢強さも背景にあるが、茂木の真面目な性格、実直な人間性は彼の成功を導いたファクターの一つと周囲の多くが口にする。

「放っておいたらいつまででも練習してしまう」姿勢は首脳陣を驚かせ、何より、リーグワーストの失策数になっても、我慢し起用したくなるほどの野球への真摯な取り組み方だったのだ。

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