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カープVへ導いた最強打線。他5球団と比較してわかる、異次元のパワーアップ【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、カープの野手が急激な成長を見せた話だ。

2016/09/15

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広島は驚異的なアップ

 最後に読売ジャイアンツと広島東洋カープを見てみよう。

巨人とカープのRC

 巨人は実は数字上で見ると、昨年よりも打線は向上している。
 首位打者を狙う坂本勇人を主軸に、V字回復した村田修一や長野久義も成績をアップさせている。ギャレット・ジョーンズもまずまずで、長期欠場したが阿部慎之助も健在だ。若手の台頭がないのは物足りないものの、昨年よりは打線として機能したと言えるだろう。

 優勝を遂げた広島は、他の5球団とは異次元のパワーアップをしたことがわかる。1試合当たりRCは3.85から5.15へ。一気に最強打線が出現した。
 広島には現時点でRCが100を超える打者はいない。しかし90点以上が丸佳浩、鈴木誠也、80点以上が菊池涼介、田中広輔、そして70点台が新井貴浩と、他球団の主力級の数字を残している打者が5人もいる。
 これでは投手は気を抜くことができない。ハイレベルの打者がずらっとならぶ強力打線なのだ。
 広島の強みは、新井を除く主力打者が生え抜きで、まだ20代であること。この打線の破壊力は、しばらく維持できそうだ。

 打線は水ものと言われるが、トータルで見れば、各チームの戦力補強の成果でもある。広島はこれまでの地道な補強、育成が花開いて強力打線が実現したといえるだろう。

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