完投数トップ・金村尚真は快進撃の象徴。「投げ抹消」活用で夏を見越した投手起用【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#250】
まもなく交流戦を迎えるが、チームはケガや不調の選手を上手に入れ替え、首位に立つ。ここまでの数字を他チームと見比べると、先発陣の頑張りが目を引く。
2025/06/01
産経新聞社

主力打者は二軍だが首位をキープ
本稿執筆の5/30夜は交流戦前最後のホームゲーム、ロッテ8回戦が終わったところだ。達孝太が無傷の2勝、レイエスと万波中正が仲良く10号ホームランを放つナイスゲーム(4-1勝利)だった。達がヒーローインタビューで次の目標として「初完封してみたい」とコメントしたのも頼もしい。ローテで投げていく自信を感じさせるコメントだった。若い選手の何が嬉しいって成長していく過程が垣間見えるときだ。皆、自信をつけて伸びる。自信をつけてやられるときもあるが、その反省を踏まえてまたグンと伸びる。身にならないことがないのだ。達孝太を見ていると最高に楽しい。鎌ケ谷で試行錯誤を繰り返してた日々を見ていれば余計だ。がんばれ達、 2ケタ勝ってしまえ!
しかし、「初完封してみたい」はなかなか含蓄がある。ヒーローインタビューでは、一緒にお立ち台に上ったレイエスとのやりとりがあって「このぐらいのピッチングで満足するなよという意味だと思うので、初完封してみたい」とコメントしたのだった。達&レイエスのコンビがお立ち台に並ぶのは5/4に続いて二度目のことだ。チームメイトの活躍が刺激となって、目標をより高く持つのはとても望ましい。そして、それはただの目標にとどまらないのだ。今シーズン、ファイターズの戦い方を見ていると「先発投手を完投させる」という意思を感じる。これは間違いなくチーム方針だ。達の「初完封してみたい」はその方針にも合致している。
5/30夜の時点でファイターズは2位オリックスに1.5差つけて首位に立っている。まぁ、ダンゴレースなので今、順位を言っても仕方ない(おそらく交流戦で動きがあるだろう)のだが、まずは順調なシーズン序盤戦だったと思う。ていうか、こないだファームの試合を見て感じ入ったんだけど、今、野村佑希も田宮裕涼も水谷瞬も上川畑大悟もアリエル・マルティネスも下にいるのだ。それを思うと「順調なシーズン序盤戦」を「出来過ぎのシーズン序盤戦」と言い換えたくもなる。うまいことやりくりして、チームの失速を回避してきた。ケガや不調の選手を上手に入れ替えて、巡航速度をキープしてきた。