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なのに泣いた。井上一樹監督は松葉貴大をちゃんと見ていた。負け犬根性が染みついた中日ドラゴンズの変わりつつある「今」

2025/05/09 NEW

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産経新聞社



(左から)中日・井上一樹監督、松葉貴大

プロ野球 最新情報

 13年ぶりのCS進出を目指す中日ドラゴンズ。屈辱の3年連続最下位に沈んでいるチームは、今季から指揮を執る井上一樹監督の下で、強豪復活に向けて徐々に変わり始めている。その象徴的なシーンが、松葉貴大が先発した先月26日のヤクルトスワローズ戦にあった。(文・チャッピー加藤)

 

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「令和の米騒動」かつての常勝軍団が“ネタ供給球団”に

 
 プロ野球を愛する皆さん、あなたの推しのチームの調子はいかがですか? 今季は両リーグとも混戦模様で、独走するチームもなければ、大きく沈むチームもなく、つまりどこにもチャンスがあるということだ。このままダンゴ状態が続けば、13年ぶりのCS(クライマックスシリーズ)進出も夢じゃない……と書くと、私の推しのチームはもうおわかりだろう。そう、2012年のCSファイナルで、リーグ優勝した読売ジャイアンツを3勝1敗と追い込みながら、そこから3連敗という悪夢のような展開で敗退。以来ポストシーズンにはとんとご無沙汰になった中日ドラゴンズである。
 

 
 2007年にCS制度が始まってから、6年連続でファイナルステージに進出。うち日本シリーズに3度駒を進め(いずれも落合博満監督時代)、2007年には53年ぶりの日本一に輝いたドラゴンズ。当時、ポストシーズンは「あるのが当たり前」だった。まさか「ないのが当たり前」になるなんて……。気づけばドラゴンズは、12球団で最もCSから遠ざかっているチームになっていた。すなわち、毎年Bクラス。2020年、与田剛監督時代に3位となり8年ぶりにAクラス復帰を果たしたものの、同年はコロナ禍のためセ・リーグはCSが開催されず、やはりドラゴンズにポストシーズンはなかった。嗚呼。
 
 与田監督の後、2022年から3シーズン「ミスター・ドラゴンズ」立浪和義監督が指揮を執ったが、ファンの期待とは裏腹に、球団史上初の3年連続最下位に終わった。その間、ドラゴンズが話題になったことといえば、選手食堂から白米の入ったジャーを撤去したことがSNSで「時代錯誤の管理体制」とバッシングされた「令和の米騒動」とか、立浪監督を揶揄する替え歌動画が拡散されたりとか、グラウンド外の話ばかり。もしくはドアラ絡みの話題ぐらいで、かつての常勝軍団は今やすっかり「ネタ供給球団」になってしまった。

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