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「野球を知ってる」淺間大基の好走塁。記録に残らずとも珠玉のプレー【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#248】

GW前半戦、敵地のソフトバンクで3タテ。日替わりで選手が勝利に貢献、特に攻撃面ではスクイズや犠打といった小技が光ったが、もっとも興奮したのは隙のない走塁で1点を奪った淺間のプレーだった。

2025/05/03 NEW

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産経新聞社



(左から)日本ハム・淺間大基、新庄剛志監督

グーリンの快投に報いる万波の一打

 GW前半戦、敵地のソフトバンク3連戦は見事スイープを達成し、シーズン序盤戦を27戦15勝12敗と手堅くまとめることに成功した。打線がもう少し繋がったらなぁと思う(得点はホームランが多かった)けれど、まぁ欲をかいてはキリがない。当の対戦相手ホークスがケガ人続出で、「開幕戦スタメンで今も残ってるのが山川だけ」と言われるのを見ると、皆、無事で野球やってくれてるのを感謝するしかない。ホークスには柳川大晟の死球(今宮健太に当ててしまった)をお詫びしたい。選手のやりくりが苦しいところで主力が一人欠けてしまうなんて、ホークスファンは胸の潰れる思いだろう。
 
 この3連戦、伊藤大海の力投130球、吉田賢吾の恩返し打、水野達稀の勝負強さ、山﨑福也の今季初勝利、万波中正復調の兆し、石井一成1軍昇格打、古林睿煬NPB初勝利etc.と見どころ満載であったのだが、SNSの投稿がいちばん多かったのは第3戦(5/1、ソフトバンク5回戦)の「上沢直之攻略」だったと思う。米球界へのポスティングを経た「ルール上、問題のない」移籍はファイターズファンの感情を大いに逆なでした。その上沢との初対戦、7回表に飛び出した万波6号決勝ホームランには留飲を下げたことと思う。この3連戦のハイライトは間違いなくあの痛快なホームランだ。
 
 ただ僕個人は何しろ当日ベルーナドームで西武-楽天4回戦を見て、平沼翔太サヨナラ打に拍手喝采(藤平尚真のボーンヘッドに驚愕)していたくらいなのだ。グーリンの来日初勝利は願っていたが、上沢はもう相手チームの投手でしかない。ていうか、上沢と当たることで感情を波立たせること自体が嫌だった。相手投手を打ち崩すだけのこと。たとえば同期の松本剛には特別な思いがあるだろうけど、僕はとっくに断ち切った。「上沢を負かす」ことより、「グーリンを勝たせる」ことのほうが百倍も大事だ。なので万波6号はグーリンの快投に報いたという意味で「痛快なホームラン」、そういう認識である。

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