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【7月29日~31日セ・パ第29節展望】有原・大谷で挑む好調日本ハム、ソフトバンクに肉薄なるか

2016年7月29日~7月31日までの第29節、勝負のポイントはどこにあるか。

2016/07/29

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<パリーグ>

2位・日本ハム(8勝1分)―1位・ソフトバンク(5勝1分) 札幌ドーム

 日本ハムにとっては大事な3連戦となる。調子の良さをそのままにして、ソフトバンクとの差を一気に縮めたい。初戦の先発は有原が上がる。5連勝で勝利数を2ケタに乗せ、対ソフトバンク戦も今季4戦3勝としっかり勝ちきれている。初戦を取って、いい流れを呼び込みたいところだ。2戦目は高梨、3戦目はエースの大谷とトリプルタワーで挑む。3人とも今季のソフトバンクとの対戦は相性がいい。おそらく、フォークを得意球にしていることが、苦しめている大きな要因だろう。打線は、西川が好調なのは大きい。ソフトバンク戦の打率も悪くなく、大谷が今節の登板時以外は打線に入れない分、西川が1番に入ることで、3番・陽が生きる。岡が好調で、ソフトバンクに強いレアードなど、どのように打線を組んでくるか見ものだ。

 ソフトバンクは前節1試合少なく、やや投手陣に余裕がある。初戦の先発は和田が上がる。相手の先発有原と同じ10勝でハーラートップタイを争っている。早大の先輩としては負けられない。日本ハムとの対戦防御率は6点台と悪いが、意地を見せたい。2戦目は千賀、3戦目は岩嵜とこちらも強力だ。先発としては初めて日本ハムと対峙する岩嵜がどんなピッチングを見せるか、興味深い。打線は、この1日の休みでどう立て直してきたか。それほど調子は良くない。3、4番はほぼ固定でいいが、1、2番をどう組んでくるのかが注目される。相手の3本柱に、ここでやられるようだとこの先も苦しいかもしれない。

3位・ロッテ(9勝)―4位・楽天(4勝) QVCマリンスタジアム

 前節、最下位オリックスに負け越したロッテは、しっかり作り直したい。楽天とは前週に続いての対戦となるが、引き続いて勝ち越せるか。初戦の先発は石川が上がる。先週は9回1失点完投と楽天打線を抑えている。相手打線がそれなりの工夫はしてくるが、その上を行きたい。2戦目は関谷、3戦目はエースの涌井か。涌井も先週は完投した。最低でも勝ち越したいだろう。打線は、やや当たりの止まっていた角中が28日の試合で2安打をマーク、復調とみていい。荻野、鈴木、田村が好調だが、ややつながりを欠いている。1、2番を固定できてないことも一つの要因だろう。荻野と鈴木のコンビ、あるいは細谷の1番復帰など、伊東監督がどういう対策を打ってくるか。

 楽天は、新外国人を獲得するなど補強に余念がないが、果たして功を奏するか。初戦の先発は美馬が上がる。前回登板では6回9失点。同じ轍は踏みたくない。2戦目は辛島、3戦目は則本か。辛島は前回、勝利をしている。連勝となるか。一方、則本は「エース対決」に投げ負けた。おそらく燃えているはずだ。打線はアマダー、ウィーラー、ペゲーロと3人の外人を起用しているが、これがうまく機能するかがポイントだ。島内、岡島らと絡みたい。一方、遊撃手のポジションを高卒5年目の三好がレギュラーをつかみかけている。

6位・オリックス(8勝)―5位・西武(6勝) 京セラドーム

 オリックスが3連勝を挙げれば最下位を脱出できる。いわば、最下位攻防戦だ。オリックスは投手陣が安定して、調子を取り戻してきた。そこへ前節は結果がついてきたことで、勢いも出つつある。初戦の先発マウンドには松葉が立つ。前回対戦(9日)の西武との試合では8回途中までを無失点に抑えた。いいイメージでこの対決に臨めるはずだ。2戦目はディクソン、3戦目は東明の並びだ。救援陣も安定しており、前節のロッテとの戦いでは接戦をモノにできている。打線は、外国人のモレルの調子が上がり、中軸が生きてきた。1、2番の西野、安達のコンビも上々で、つながりも出てきている。福良監督の采配がもっと積極的になれば、勝利も増えていくはずだ。

 西武は、今月は一度も勝ち越しがなく、借金を増やし続けている。このままでは最下位も時間の問題だ。ウルフを獲得としたとはいえ、これといった策も講じず、指揮官よりも上層部のビジョンなきチームビルディングにそろそろ疑問の声が噴出してもおかしくない。3連戦の先発は、高橋光、十亀、野上になる可能性が高い。しかし、3人ともがこれまで結果を残してきているとはいいがたい。菊池の復帰が近く、ウルフも上がってくるだろう。彼らのチャンスも限られてくる打線は、28日の試合で1番・金子侑、2番・秋山の形を作り、4番に今季初めて浅村を起用した。未来の見える起用で期待が持てた。結果が出たことも大きいが、今後どういう起用で、上を目指していくのか注目したい。現場の苦労は絶えないが、少しずつ光を見出していくしかない。

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