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3位ターンのラミレスDeNA。昨年の大失速を糧に“冒険のクライマックス”へ

40勝44敗3分の3位で後半戦を迎えるDeNA。ひとまず、好位置につけているといえるだろう。しかし、誰もが記憶している昨季の大失速を想起すれば、安心もしていられない。新しい風を吹かせているラミレス新監督の狙いは成就するのだろうか。

2016/07/18

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不安要素は投手陣の疲労。昨季と同じ轍は踏んではいけない

 ここまでリーグ2位の防御率3.54とまずまずの数字を残しているが、交流戦後半で6連敗をしたあたりから投手たちの疲れやほころびが目立ち始めている。

 ご存知のように昨年、DeNAは借金ゼロで首位ターンをしたが、前半飛ばしたツケがまわって後半大失速した。とくに投手陣は、前半3.57だった防御率が4.14に、QS率は54.1%から44.8%と如実に数字を落としており、今年も不安要素であることは否めない。

 ラミレス監督をはじめ首脳陣も後半戦に向けその辺りは理解しているのか、投手陣の管理に至ってはいち早くアクションを起こしている。
 
 まず開幕から先発ローテーションを守ってきたルーキーの今永昇太を6月19日に登録抹消し、後半戦へと備えさせている。この中長期的な視野を感じせる配慮は、今までなかったものだろう。

 そしてオールスター直前の借金返済が掛かった大事な9連戦の残り4試合で、ラミレス監督はいちはやくローテーション組を休ませ、国吉佑樹、三浦大輔、熊原健人、ペトリックを先発で起用。この大胆ともいえるやり方で、後半戦に向け使えるとおぼしき戦力の選定作業をした。

 同様に中継ぎ陣も、これまで出番がなかった久保裕也、加賀繁、福地元春らを起用したが、芳しい結果は得られなかった。つまり後半戦も勝利の方程式である須田幸太、田中健二朗、三上朋也、山﨑康晃の負担が大きくなると考えるか、ここに緊急補強をしたマイク・ブロードウェイが絡んでくると心強いのだが果たして……。
 
 ラミレス監督は後半戦に向け「気にしなければいけないのは(対戦相手より)自分たち自身がどう戦っていくか。相手を気にし過ぎず、自分たちのことを考えてやらなければいけない」と語っている。

 若い選手の多いDeNAにとって、敵は己の内にあり。昨年の同じ轍を踏まぬためにもチーム一丸となって足元を見てことが望まれる。果たして新人監督の冒険のクライマックスやいかに!?

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