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脚で注目度高めた五十幡亮汰。プレミア12の経験をステップアップに【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#237】

プレミア12では、ファイターズから3選手が選出された。中でも代走の切り札的存在である五十幡亮汰の俊足ぶりは、大いに注目を集めている。

2024/11/23

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産経新聞社



井端ジャパンで奮闘するF戦士

 プレミア12・スーパーラウンド第2戦直前、東京ドームへ出かける前にこれを書いている。井端ジャパンはオープニングラウンドを全勝で終え、昨夜から東京に舞台を移し、初戦アメリカ戦に9対1と快勝したところだ。このコラムは後半、第2戦ベネズエラ戦を見終え自宅に戻ってから書くつもりだから、コラム前半と後半で「ビフォア/アフター」のような構成になる。ちなみにベネズエラは昨日、台湾を下しており、「スーパーラウンド先勝チームどうし」の対決になる。
 
 もちろん僕のコラムはファイターズ目線だ。今回のプレミア12には北山亘基、五十幡亮汰、清宮幸太郎が招集された。いわゆる「日の丸をつけて戦う」ってやつだ。期待した。特に追加招集で「初サムライ」となった清宮は「こういうきっかけでジャパンの新主砲が誕生しちゃうのかもな」的な期待もあり、サングラスにスーツ姿の台湾入りニュースをわくわく見つめたものだ。
 
 それが台湾日程を終えて、「誕生しちゃわないのかもな」に変わっている。シーズン終盤あれほど好調だったバッティングが振るわない。一球一球追いかけて自分のスイングができてない「悪いときの清宮」だ。まぁ、初見で好投手と対決する難しさはあると思うが、それはみんな同じ条件だ。で、バッティング以上に問題だったのがドミニカ戦の凡ミスだった。6回裏、無死一塁の場面で投手の井上温大が牽制球を投じた。ランナーもフイを突かれたが、清宮もフイを突かれた。何と一塁手が「牽制に引っかかった」のだ。捕球できず、ランナーは労せず進塁、これが失点につながってしまう。本職のはずの一塁守備でとんだボーンヘッドだった。エラーは他にもあり、井端弘和監督はその後、牧秀悟をファーストで起用する。ファイターズファンはがっかりだ。昨夜のアメリカ戦でも出番はもらえなかった。
 
 北山亘基はよくやっている。オープニングラウンド台湾戦でソロホームランを食らったが、2回を無難に抑えた。「第二先発」というか「中継ぎ」というか表現は微妙だが、与えられた役割をきっちりこなしている。昨夜のアメリカ戦も最速154キロの快投で2奪三振、1回パーフェクトの働きを見せた。国際試合の経験が来季の飛躍につながるといい。力があるわりにこれまで全国区の知名度が足りなかった。機会があったら「僕の下の名前はコーキっていうんですけど」を覚えてもらおう。
 
 しかし、このプレミア12でいちばん認知度が高まったのは、何といっても五十幡亮汰ではないか。オープニングラウンドのキューバ戦の8回、栗原陵矢の浅いレフトフライでタッチアップ生還した「快足」は大リーグのスカウトも大注目だったという。代走出場で決勝点をもぎ取った殊勲は、まさに井端監督の狙い通りだ。タイブレークが導入される大会規定を思えば、武器として試合の終盤まで取って置きたい。
 
 東京ドームのスーパーラウンドでも、見せ場は続いている。アメリカ戦では盗塁ミスもあり、SNSの反応が面白かった。ミスはいかに普段当たらない投手(牽制のタイミングがわからない)であってもいただけない。ハムファンは「あー、やっちゃった」という反応だった。五十幡は二盗に関してはまだまだ技術が足りない。僕は走塁、タッチアップに関しては球界ピカイチだと思っているが、二盗はまだ勉強する余地がある。まぁ、逆にいえば伸び代だ。
 
 ただ井端ジャパンの方針で、「むしろ行ってくれた方がいい」と背中を押され、アメリカ戦で盗塁に再度挑み、成功させたのはよかった。技術は磨いていけばいい。いちばん大事なのは意欲だ。ていうか意欲がなければ技術なんか磨けない。

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