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球宴初出場・カープ鈴木誠也、高校時代から目標の勝負強い打者へ成長。小学生時代からプロを嘱望された逸材

首位を独走するカープ。好調の打線の中で、注目すべきは高卒4年目・鈴木誠也の存在感だ。そして4日、監督推薦でマツダオールスターゲーム2016初出場が決定した。

2016/07/04

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高校時代の体重増を支えた食事

 3年間の成長を振り返ると、もっとも変わったのはその体だ。入部時は181センチ68キロの細身の体型だったが、3年時には181センチ82キロと均整の取れたアスリート体型に成長していた。

 体重増を支えていたのが食事である。ラーメンどんぶりに山盛りのご飯をよそい、朝2杯、昼2杯、夜3杯を完食。1年時は食べられずに苦しんだこともあったが、食べ続けることによって、確実に体が変わっていった。

 そして、冬の振り込みによって、振る力もついた。1日のノルマは10球1セットの連続ティーを100セット。つまりは1000球だ。これを1.3キロのバットで振り続ける。

「当てることには自信があったので、力がつくことによって飛距離が出るようになりました」とは、高校時代の鈴木の言葉である。本人曰く、中学でのホームランは15本。高校で、42本も打てるとは思ってもいなかったという。

 いまの活躍を、中学・高校の恩師はどのように見ているのか。
 石墳事務局長が興味深い話を教えてくれた。

「今年1月、ソフトバンクの内川選手と一緒に自主トレができたことが大きかったようです。シーズンに入る前に、『手ごたえをつかめました』という話をしてくれました」

 チームメイトの先輩・小窪哲也にお願いして、実現した自主トレである。うまくなりたいという貪欲さが、鈴木を成長させた。

 市原監督は、「まだまだこれから」という想いを込めて、こんなメッセージを寄せる。

 「謙虚な気持ちを持って、野球に取り組み、息の長い選手になってほしい。末永く、ファンの方に応援してもらえる選手を目指してほしいと思います」

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