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【4月15日オリックス対埼玉西武戦、BBC独自採点】マンオブザマッチは若月。勝負を決めた配球に、次世代捕手台頭の予感

4月15日、オリックス対埼玉西武戦は7-4でオリックスが勝利を収めた。現地取材に基づき、この試合をベースボールチャンネル独自基準にて採点を行ってみたい。

2016/04/16

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採点基準

8  シーズンに1試合あるかないかの活躍
7.5 突き抜けた活躍
7  勝利貢献度上
6.5 勝利貢献度中
6  勝利貢献度小
5.5 活躍した選手
5  可もなく不可もない
4.5 足を引っ張った
4  敗戦につながるミス
3.5 退場など試合を壊す

さらに現地取材の内容を加味します。

 

初回の攻防が試合の明暗

 3回から着実に得点を重ねたオリックスが西武を7-4で破った。

 ランニングスコアだけをみると、オリックス打線が爆発したことが勝利の大きな要因にも思えるが試合を分けたのは、1回表の攻防だ。オリックスの先発・近藤は、秋山・栗山の連打などで無死二、三塁のピンチ。このときの守備陣形は1点OKの定位置を敷いたが、近藤―若月のバッテリーはメヒア、中村を連続三振に取る圧巻のピッチングを見せたのだ。守備陣形からして、三振は狙って取ったものだろう。この配球には唸らされた。

 逆に西武は、初のピンチとなった3回裏、1死二、三塁のピンチで前進守備を敷き、先発の菊池はモレルへの初球をあっさりと左翼に打ち上げられた。バッテリー間に意図が通じているようには思えなかった。1回裏のオリックスバッテリーのそれとは、真逆だったといっていい。
 
 よって、採点は両者バッテリーに大きく差をつけた。オリックスは打線のほうで、西野が3安打2打点と活躍し、マンオブザマッチに輝いてもおかしくないが、勝負を決めた配球を見せた若月に最高点の7.0をつけた。

 以下が各選手の寸評だ。

 

<埼玉西武ライオンズ>
(中)秋山 5.0
評 初回に安打を放つなど二度の出塁があったが、走者を置いてからの打席に課題が残る。今一つ畳みかけられなかったのは、秋山のところで止まっていたからだ。

 

(左)栗山6.0
評 6.5を付けたいくらいだ。最後まで試合をあきらめず、どんな展開になっても戦う姿勢には心打たれた。

 

(D)メヒア 5.5
評 最後のタイムリーで少し評価を上げたが、走者時では結果を出せず。クリーンアップの役割を果たしていたとはいいがたい。

 

(三)中村5.0
評 1回の好機は内野ゴロでも1点が取れたのだが、あえなく三振。ただ、栗山と並んで何とかしたいという姿勢は伝わってきた。

 

(二)浅村4.5
評 積極的に振りにいっているが結果が伴わない。好機で自分らしいスイングをしていない印象を受ける。技術的な問題か、メンタル的なものか。修正が必要だ。

 

(一) 鬼崎5.0
評 打席では2安打2得点と気を吐いたが、守備面では慣れない一塁手で致命的なミスを犯した。ミスであっても、失点は避けるようにしたい。

 

(捕)炭谷4.5
評 今日のリードは大きな課題だ。菊池の良さを引き出せていないし、意思の疎通を感じなかった。攻めるところ、交わすところの取捨選択がほとんど間違っていた。

 

(右)田代5.0
評 試合展開であえなく2打席で代打を送られてしまった。本人は悔しいだろうが、それだけチャンスが限られていることを意識しなければいけない。

 

(遊)金子侑5.0
評 鬼崎を不慣れな一塁に回してまで、起用されているにもかかわらず、何もできなかった。ボールにしがみつく姿勢もなかった。

 

投手
菊池 4.5
評 試合を重ねるごとに昨年の菊池に逆戻りの傾向が見受けられる。力だけでは抑えられないことを昨季は学んだはずだ。タイムリーエラーがあったことは不運だったが、味方のミスの後をきっちり抑えるのもエース候補の役割だ。

 

郭  6.0
評 菊池の後を受けて、1回2/3を無安打に抑えた。彼の好投が試合を一方的なものにしなかった要因だ。今日のピッチングなら、先発復帰も近い。

 

CCリー 5.0
評 まだ日本のマウンドにフィットしていない様子だ。ボール自体は強いが制球が全体的に甘く、痛打される場面が目立つ。もう少し待ちたいが……。

 

武隈  5.0
評 走者を出しながら無失点で乗り切った。表情に疲れが見えるが、この日のピッチングを続けてほしい。

<途中交代>
上本 5.5
評 代打で出場して2安打。好機を演出する貴重な活躍だった。

 

坂田 5.5
評 代打で打席に立って1安打3打点。長打を狙いたいところを謙虚なバッティングで反撃姿勢を見せた。

 

外崎――

 

田辺監督 4.5
守備のミスは犯した本人の責任だが、起用する側にも問題はある。鬼崎を起用するなら、遊撃手であり、適材適所とは思えない。オーダーを変えすぎて、チームに一体感が出ていないのも気になるところだ。

 

<オリックス・バファローズ>
(中)宮崎 5.5
評 先制ホームを踏むなど2得点。試合の中ではラッキーボーイ的な存在になっていた。

 

(二) 西野 6.5
評 ほぼマンオブザマッチといっていい活躍だ。開幕戦でもそうだったが、相手先発の菊池を翻弄していた。インコースを見せられても、踏み込んでいく向こう意気の強さは頼もしい。

 

(右)糸井 6.0
評 5打数1安打1打点2三振だが、唯一の安打にして5得点目が貴重だった。価値ある一本として評価を高めた。

 

(一) モレル 6.0
評 先制の犠飛を含む2打数1安打1打点の活躍。開幕戦と含めて、菊池とは相性がよさそうだ。欲しい所での一打は彼の持ち味として評価したい。

 

(三) 小谷野 5.5
評 初回の先制機の凡退は痛かったが、菊池をKOするきっかけになる5回の二塁打は相手チームに大きな打撃を与えた。

 

(指)中島 5.0
評 最初の打席で目の覚めるようなセンター前へヒットをマーク。続きの打席も見たいところだったが、1打席で終わったので、評価は平均にした。

 

(左)吉田尚 6.5
評 タッチアップで、二三塁を取られた守備面に課題があるも、2安打1打点と活躍した。菊池をKOした一打は圧巻だった。

 

(遊)縞田 5.5
評 2打席目に技ありのライト前ヒット。相手バッテリーが三振を狙いに来たところを見事な芸当で打ち返した。

 

(捕)若月7.0
評 マンオブザマッチ。1回表の無死、二・三塁のピンチでカーブを効果的に使う配球で、メヒア、中村を連続三振に切って取った。このリードには鳥肌が立った。新しい時代を担う捕手の登場を予感させる。

 

<投手>
近藤一 6.0
評 今日はバッテリーの勝利。もっと高い点をつけたかったが、6回の突然の乱れは今後の課題にしてもらいたい。今日のようなクレバーな投球を続ければ、2ケタも夢ではない。

 

吉田一 5.5
評 無死満塁からのピンチで登場。適時打を浴びたが、彼の自責点は0と余分な得点を与えなかったのは評価に値する。先発タイプだけに、中継ぎで我慢したい。

 

岸田 5.0
評 いきなり連打を浴びてピンチを作り1失点。後続は抑えたが、できれば無失点で切り抜けてほしい。

 

佐藤達 4.5
評 1死もとれずに1失点で降板。技術的にもメンタル的にも、つらい状況にある。誰かが助け舟を出してやらねば。

 

平野 6.0
評 緊急登板も難なく抑えた。しっかりと火を消せるところはさすがの一言だった。

 

<途中出場>
ボクセビック 5.5
評 途中出場ながら、少しでもチームに貢献しようと献身的な姿勢を見せた。

 

駿太――
山崎勝――

 

福良監督 5.0
評 1回表無死二、三塁で前進守備をさせなかったのは見事な采配といえる。とはいえ、全体的にもそれほど大きな影響はなかった。