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台湾ドラ1級の獲得成功、次なるロマンは前田悠伍。一時代を築くスケール感は高卒ルーキーにあり【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#210】

第31回WBSC U-18ベースボールワールドカップ決勝に登板した台湾代表の孫易磊が来季はファイターズに入団する。ドラ1級の獲得に成功し、次なる照準は今月末に開催されるドラフト会議。できればスケールの大きな高校生も指名してほしい。

2023/10/14

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産経新聞社



高校JAPAN・前田悠伍

大会で注目を集めた台湾の逸材が入団

 10月に入って、ファイターズの話題はフェニックスリーグや鎌ケ谷組の秋季練習に移っている。他球団が「10・10決戦」で盛り上がっているのに残念なことだ。これでCS、日本シリーズが始まるともっとうらやましい気持ちになるだろう。今月、うちがいちばんヒートアップするのはドラフト会議かなぁと思うのだった。

 で、(別に原稿を書くわけでもない)ラグビーワールドカップを熱心に見たりして、気を紛らわせていたのだが、Jスポーツでたまたま、第31回WBSC U-18ベースボールワールドカップ決勝の再放送を見つけた。先月、台湾でやってた大会だ。

 知り合いの記者が台湾に長逗留して、Xの投稿をしていた。明徳義塾の名将、馬淵史郎監督率いる「侍U-18代表(馬淵JAPAN)」が悲願の初優勝を掴んだんだよなぁ。そのスモールベースボール(パワーヒッターの佐々木麟太郎・花巻東、真鍋慧・広陵は招集されなかった)が時代遅れではないかという批評も目にしたが、しっかり結果を出したことは賞賛に値する。前田悠伍(大阪桐蔭)、東恩納蒼(沖縄尚学)といった好投手を揃えていたのも光る。前田悠伍は惚れ惚れするようなピッチャーだ。うちに来ないかなぁ。

 と、思って、決勝戦の相手、U-18台湾代表のスターター・孫易磊(スン・イーレイ)を見てうろたえた。うわー、うっかりするにもほどがある。台湾の快速球投手、18歳の孫易磊(中國文化大学)がファイターズに入団するのだ。そうだそうだ、ちょうどこの時期、忙しくてイーレイをしっかり見てなかった。何というラッキーか。ラグビー中継に力を入れてるJスポーツだからたまたま再放送に当たった。

 WBSC U-18ベースボールワールドカップの大会期間中は稲葉篤紀GMが台湾入りして、ずいぶん現地メディアに取り上げられていた。ファイターズは陽岱鋼、王柏融の縁もあって台湾で人気があるのだ。ファイターズ戦の中継も台湾で見られるはずだ。実は僕のXアカウントにも台湾のフォロワーさんが10人くらいいる。こいつをフォローしとけばファイターズのことを多めにつぶやくぞとバレてるのだ。

 今年のドラフトは大学生投手が豊作と評判だ。ファイターズも即戦力の大学生に行きそうだが、一方でスケールの大きな高校生も獲ってほしいと思っている。チーム成績が低迷してるとき、即戦力ばかりを指名してるとチームがどんどん小粒になってくる。チームを変えるのは高卒ルーキーだ。「将来のエース」「将来の4番」「将来の二遊間」といったチームの柱は高卒ルーキーから出てくる。例えばファイターズならダルビッシュ有、大谷翔平だ。打者なら田中幸雄や中田翔がそうだった。一時代を築くスケール感は高卒ルーキーにある。

 という意味で、今年なら豊作の大学生に魅かれつつ、各球団、前田悠伍にチームの運命を託したくなるのだ。間違いなくチームの顔になる素材だ。ドラフトで松坂大輔に行かなかった西武、ダルビッシュに行かなかったハムが考えられるだろうか。前田はそのくらいの大器だ。高卒ルーキーの魅力はそういうところだ。

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