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大王の帰還――育成から這い上がり「肯定」できた王柏融【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#206】

苦手ロッテをスイープし、好調をキープするファイターズ。この3試合では野手陣の活躍が目を引いた。中でも7月にギリギリで支配下再登録を勝ち取り、このカードから昇格した王柏融の活躍に心揺さぶられた。

2023/08/20

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産経新聞社



投打噛み合うチーム

 お盆休み、苦手ロッテ相手にスイープである。よく喜ばしい出来事が重なるのを「盆と正月がいっぺんに来た」と言うけれど、今回は「盆が来た(正月は来てない)」。何しろこの3連戦が始まる前まで対戦成績は5勝11敗だった。スイープしても8勝11敗だから手放しで喜ぶわけにいかないが、数字上の見た目はだいぶマシになった。ちなみにスイープは交流戦の中日戦以来、今季2度目らしい。つまり、リーグ戦初&エスコン初スイープ。
 
 今季は悪夢の13連敗があったけれど、ロッテ戦を終えて何と5連勝だ。何か元気がわいてくる。というか、この辺りがプロ野球の魔力というか味わい深いところなんである。3タテを喫したロッテは「チームに元気がない」と評され、ロッテファンはしょんぼりしている。が、よーく考えたら本稿執筆現在(8月18日午後3時)、パ・リーグ2位に位置し、ポストシーズンへ向け夢をふくらませていいのはロッテであり、日ハムはどん尻なのだ。なのにどん尻の方が元気になってしまっている。
 
 まぁ、しかし、この3連戦を見たら元気にもなろうってもんだ。上川畑大悟の打撃復調、マルティネスの勝負強さ、古川裕大の好リードなど、良かったところは数あれど、最大のひとつを挙げるなら万波中正の好守にわたる大活躍じゃないかと思う。本当にお金の取れる選手になった。打っては「秘打タイムリー」や19号ホームラン、守っては連日のスーパー好守&「強肩発動」。GAORAの土井悠平アナがうっかり「エリア66」と実況してしまい、ロッテファンを煽ったような形になった(僕は文化放送の頃から土井さんを知っているけど、決してそれは彼の本意ではない)。万波は来季、背番号1でいいんじゃないかと思う。それくらいの華がある。
 
※ベースボールチャンネルをご覧の読者には説明不要のことだが、「エリア66」はロッテ、岡田幸文選手の超人的な守備範囲の広さを称えた用語である。あの時代、関東のパ・リーグファンは幕張でセンター守備を見るのが「大好物」だったと思う。もちろん、ハムにも糸井、陽らがいた。外野守備は華そのものだ。

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