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新人、移籍組は試験。エース級は状態の見極め。オープン戦で好投する投手に理由あり【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は投手のオープン戦の成績とレギュラーシーズンの成績との関連性だ。

2016/02/13

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オープン戦で好投も首になったレイノルズ

 次に2014年だ。
 
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 西武の新外国人グレッグ・レイノルズが素晴らしい成績を上げ、投手陣の中軸になることが期待された。しかし開幕が明けると6試合の登板で0勝5敗と散々な成績に終わり、1年で戦力外になった。
この年も大物新人の広島・大瀬良大地とロッテ・石川歩が順調な仕上がりを見せ、そのまま二人とも新人王を獲得した。
 
 日本ハムの新外国人のルイス・メンドーサもオープン戦で好投。なかなか勝ち星に恵まれなかったが、シーズン終盤の9月に3勝。先発ローテーションの一角として1シーズン投げ抜いた。
 巨人の菅野は前年に続きキャンプで順調な仕上がり。開幕すると、前年を上回る好成績を残して防御率1位。MVPも獲得した。
 楽天の則本も同様に順調な仕上がりでシーズンに突入し、奪三振王のタイトルを獲得。
 
 こうしてみてくると、オープン戦で好成績を挙げる投手には、二つのタイプがあることがわかる。
 
 1つは春先から頑張らざるを得ない投手。移籍した投手、鳴り物入りで入団した投手、新外国人投手などだ。彼らはチームでの実績がないので、オープン戦で戦力として貢献できることを、指揮官にアピールしなければならない。結果が求められる。
 
 もう一つはもともと調整が速くて、春先に順調に仕上がった投手。エース級でもスロースターターの投手がいる一方、キャンプイン直後からブルペンに入って投げ込みをし、オープン戦でも好投する投手がいる。指揮官にしてみれば、計算しやすい投手だと言えよう。

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