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新人、移籍組は試験。エース級は状態の見極め。オープン戦で好投する投手に理由あり【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は投手のオープン戦の成績とレギュラーシーズンの成績との関連性だ。

2016/02/13

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ベテラン投手が相次いで登板

 2015年になると、顔ぶれが一変した。
 
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 例年、オープン戦で好投する投手は20代の若手が多い。30代の投手は2013年がウルフ、岩田稔だけ、2014年もメンドーサと石川雅規だけだったが、2015年は2月10日に40歳になった黒田博樹を筆頭にバルデス、メンドーサ、中田賢一、八木智哉、岸孝之、攝津正と7人もの30歳以上の投手がランキングに名前を連ねた。
 
 黒田博樹は、高額のMLBのオファーを蹴って広島に復帰。2014年オフの最大の話題となった。意気込み、本気度は春先の結果からも十分に伝わってきた。レギュラーシーズンの好投は記憶に新しい。
 ラウル・バルデスは新外国人左腕。キューバ出身でドミニカに亡命。当時37歳という高齢だったが、森繁和ヘッドコーチの眼鏡にかなった。オープン戦から先発ローテーションの座をつかむためにオープン戦からアピールする必要があった。公式戦では5勝止まりも首がつながった。
 
 左腕の八木智哉は2014年にオリックスを戦力外となり、12球団合同トライアウトを経て中日に入団。彼も後がなかった。開幕後は5試合で1勝4敗と苦戦したものの、中盤以降はローテーションの穴を埋めて好投。ロングリリーフもこなし、今季も中日でプレーする。
 
 今年も2月20日にオープン戦が始まる。
 各チームの投手の置かれた境遇を頭に入れて、投手成績を見れば、レギュラーシーズンの成績をある程度占うことができるのではないか。

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