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淺間大基の離脱で江越に懸かる期待。誰かの代わりに誰かが出てくる“プロの厳しさ”【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#194】

外野のレギュラーを狙っていた淺間大基がオープン戦で負傷し、開幕絶望となった。淺間が抜けた現在、シーズンオフにトレードで移籍してきた江越大賀にとってレギュラー定着のチャンスだ。

2023/03/04

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産経新聞社



日本ハム・淺間大基

打撃好調だっただけに……鬼門の外野フェンス

 名護キャンプが終わり、チームは北海道へいったん戻って、エスコンフィールドで練習、札幌ドームでのオープン戦に臨む。報道はやっぱり新球場を写真入りで取り上げたものが多かった。
 
 そのなかで、あぁ、やっぱりなぁと思わされたのは1日、エスコン初練習で死球を受けた江越大賀の記事だった。ライブBP(投手の生きた球で行う実戦形式の打撃練習)でポンセから右手首付近に死球を受けたのだ。江越はベンチ奥に下がったが、「ヒビでも見つかったら2軍に落とされるから病院には行きたくない」と言ったそうだ。新庄監督はそれを受け「気持ちは伝わるけど、明日行ってもらいたい」とコメントしている。
 
 本当に気持ちが伝わるではないか。江越は今季に懸けている。この移籍のタイミングをモノにしなかったら、野球人生に花が咲かない。大チャンスなのだ。松本剛以外、ポジションが確約されてないファイターズの野手陣にあって、外野守備のレベルの高さから、センター五十幡亮汰とともに目下、ファーストプライオリティに置かれている。人気者の万波中正、今川優馬よりレギュラーに近いと目されているのだ。今、ちょっとでもスキを見せたらすぐ誰かに取って代わられる。もちろん本当に手の骨にヒビが入っていたら大ごとだが、打撲なんか気にしない。今はそんなこと気にしていられるときじゃない。
 
 つい淺間大基のことを考えてしまった。淺間は2月26日、阪神とのオープン戦(名護)の1回表、外野フェンスに激突し「左足関節内くるぶし」を骨折、手術を受けた。淺間は絶好調だったのだ。去年、ヒジのクリーニング手術を受け、この春季キャンプは万全の状態で迎えていた。実力&経験からいって、松本剛とともにチームをけん引する立場だ。背番号も一新し、近藤健介の役割は自分が果たすと内心、燃えていたと思う。26日のオープン戦は3番で起用されていた。それがケガで全治3か月とは…。
 
 本当に慣れない球場の外野フェンスは鬼門だ。練習試合では五十幡が激突、タンカで運ばれている。ケガは誰であっても見たくないものだが、「ポジション争いをしている好調選手」は尚更である。神も仏もないものかと思ってしまう。
 
 淺間がケガで下がった後、3番センターに入ったのは江越だった。阪神戦だからひと際拍手が大きかった。ひりひりするところだ。もしかしたら淺間は江越からファーストプライオリティの座を奪いかねないところまで来ていた。それくらい打撃好調であり、意欲的だった。

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