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衝撃的すぎた「金子誠、来季ロッテコーチ就任」。新天地で理想の野球の実現を【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#187】

積極的なトレード、新任コーチ、新球場ファウルゾーン騒動などオフシーズンも話題の多いファイターズだが、今季で退任した金子誠コーチが来季よりロッテ1軍戦略コーチに就任するというニュースが飛び込んできた。

2022/11/27

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産経新聞社



鴎コーチ就任で、ちょっと不安になる理由

 金子誠コーチはファイターズ首脳陣の要だと思っていた。野村佑希など本当に慕っていたのだ。そもそも退任自体が寝耳に水だった。それがロッテのコーチ就任となると、頭が「?」とバグってしまう。
 
 金子誠という人は高卒ルーキーの1年目、多摩川グランド(なぜか「グラウンド」表記ではない)に姿を現したときから、あまりにも優秀で「将来、監督になる器」と新聞に書かれた人なのだ。1年目、「将来のレギュラー候補」ならわかるけど「監督」は珍しい。並のルーキーとはコメントが違った。若いのに自分の考え、スタイルを持っている。大型内野手で周囲から長打力が期待されたが、ぜんぜん色気は見せなかった。頑固で頼もしいワカゾーだった。
 
 だから「幹部候補生」だと思ってきたのだ。多くの読者も近い将来の「ファイターズ・金子誠監督」時代を想定しておられたんじゃないか。侍JAPANのコーチ就任はその将来につながる貴重な経験であるはずだった。
 
 僕はロッテのコーチ就任がいったん「よその飯を食う」ようなこととは思えない。よく企業の創業者一族の二代目、三代目がいったん同業他社などに就職して、苦労を知り、いずれは自社の然るべきポストに迎えられるみたいなパターンがあるじゃないか。結果的にそういうことになれば美しいが、そんな狙いがあるとは思えない。第一、ロッテに失礼だ。ロッテで成功して、手放してくれなくなることが今の「最上のゴール」である。
 
 僕はちょっと不安になっている。金子誠の判断が「ファイターズより野球を取った」のだとしたら、先行きに暗雲が立ち込める。まぁ、ファイターズと金子誠の人生が来年からどう激突し、火花を散らすのかわからないが、それも野球ドラマなのだろう。僕の知ってる金子誠は「屈しない男」だ。自分の理想とする野球をロッテで実現させるだろう。グラウンドで白黒つくと思う。しっかり野球を見ていればいずれわかることだ。
 
追記 三角山放送局(というかポッドキャスト)の「北海道日本ハムファイターズ金子誠の週刊マック」は番組名を変えて存続するそうです。これは朗報ですね。金子誠と縁が切れるわけじゃない。

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