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最下位の楽天。来季は投手力中心、外国人打者に依存しないチームづくりを【2015年通信簿】

未曾有の故障者続きに、計算していた外国人野手が全く機能しなかった楽天。シーズン途中では、低迷するチームを象徴するかのように、オーナー現場介入報道がされるなど、ファン不在のドタバタ劇が繰り広げられた。

2015/12/16

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スローガン倒れに終わった2015年、梨田新体制で再起を

【ベンチワーク1点】
「一致団結」のチームスローガンがすすり泣いている。最終戦の監督挨拶で居酒屋オヤジ発言を聞いた今から振り返ると、指揮官は143試合いったいどこを向いて戦っていたのか容易に察しがつく。

 7月30日の田代1軍打撃コーチが退団から始まった三木谷オーナー現場介入報道。シーズン終了後、地元紙の取材に応じた星野副会長は、一連のファン不在のドタバタ劇を振り返り、大久保監督の責任について言及。「思うようにいかないと言ってるけど、論理的、数字的にこういう風にやりたいと(オーナーを)説得しなかった責任はある」と評している。

 年間200盗塁を掲げた超機動力野球も雑だった。成功率は66.3%に止まり、ファンからは集団自殺とも揶揄された。年間60盗塁刺は1998年の西武(73盗塁刺)以来、パリーグでは17年ぶりの不名誉記録である。

【総合1】

 球団史上、群を抜く黒歴史になってしまいそうな2015年だが、オフに発足した梨田新体制の下、揺らぐことのないチームの基盤、踏ん張りの効く基礎体力を養ってほしい。
 オフは精力的に補強に動いた。今江の加入によって内野陣はし烈な競争が始まる。また1年を棒に振ったミコライオが復帰すれば、松井へつなぐ方程式もより盤石なものとなる。

 いずれにせよ投手力を前提にしつつも、外国人打者の出来不出来に大きく振り回されることのないチーム作りを願うファンは多いはずだ。

 寂しい話題が多すぎた今シーズンだが、他球団に先駆けてのトラッキングシステム導入は未来につながる明るい話題だ。

 トラックマンで集めたビッグデータをどのように生かし、勝利に結びつけるのか?
 来季はIT球団としての底力がより一層試される。

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