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火力MAX…記憶に新しい最強打線5選。一時代を築いたプロ野球史に残る強力な“超攻撃型布陣”

2022/06/11

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産経新聞社



史上最強打線

 各球団の4番打者を集めた超重量級の打線。チーム本塁打数はプロ野球記録の259本を数えた。3番から7番まで続々とOPS.900超えの強打者が名を連ねた。ローズ、小久保、ペタジーニら本塁打王経験者の威圧感は相当なものだっただろう。
 
 唯一の1桁本塁打に終わった遊撃手・二岡もけがに起因するコンディション不良によるもので、前年には29本塁打をマークしていた。そのため、全員に一発の可能性がある、一瞬たりとも気の抜けないラインアップだったと言えるだろう。また控えも、通算525本塁打を誇る清原和博や、広島時代に本塁打王に2度輝いた江藤智、現巨人ヘッド兼オフェンスチーフコーチの元木大介ら豪華な布陣だった。
 
 連続試合本塁打記録では、日本記録の35試合連続(西武が1986年に記録)に迫る33試合。また、「開幕からのチーム連続試合本塁打」については新記録だった。

 しかし、これだけの強打者が揃うチームで、順位は3位。100打点を超えた選手はなく、個々の打力で勝負する打線だった。また、機動力は度外視で、チーム盗塁数はプロ野球史上最少となる25個。チーム最多は、主に代走で出場した鈴木尚広の9個だった。
 
 それでも、リーグ1位の738得点を挙げたことを考えると、優勝できなかった理由は、打線の繋がりや機動力よりも、守りの面に求めるべきだろう。この年の巨人は、エース上原浩治(防御率2.60)を擁しながら、チーム防御率4.50と低迷。木佐貫洋、工藤公康、林昌範、高橋尚成と、主に先発を担った選手らが軒並み防御率5点前後だった。

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