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巨人ドラフト1位が衝撃の18奪三振。タフネス右腕・桜井俊貴は「21世紀のガルベス」か

先月のドラフト会議で巨人から1位指名を受けた立命館大学のエース、桜井俊貴が明治神宮大会の初戦、高橋監督らが見守る中で、いきなり18奪三振の完封ショーをやってのけた。

2015/11/14

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ミスターが一目ぼれしたテスト生

「あれスゲェよ!スゲェやつだよ!」
その投手を目にした瞬間、長嶋茂雄は興奮のあまりそう絶叫したという。

96年2月12日、ひとりの男が巨人のトライアウトのために宮崎キャンプに合流した。
180センチ、107キロ。31歳のドミニカ生まれの巨漢右腕。
4日後の16日、初めてブルペンで投球を披露すると見守っていた首脳陣や評論家は息を呑んだ。
150キロ近い速球に、高速シンカーとチェンジアップ、そして内角を鋭くえぐる重いシュート。
なんなんだこいつは?何者だ?
当時の様子が『Gファイル長嶋茂雄と黒衣の参謀』(武田頼政著)に書き残されている。
マスコミには「15勝はいけるでしょう」と冷静に手応えを語った長嶋監督だったが、それでも懸命に平静を装っていたのだと。
夜になると、ミスターはチーム関係者に歓喜の国際電話をかける。
「あれスゲェよ!スゲェやつだよ!もうウチは絶対に必要ですからね!」
トライアウトはすぐ終わると思っていたから下着の替えがないと聞くと「パンツなんか何枚でも用意しますよ!」
その投手が宮崎の海で釣りをしたがっていると耳にすれば、間髪入れず「ああ釣り竿、何本でもOKですよ?」とはしゃいでみせる。
いわゆるひとつのミスターの一目惚れだった。

バルビーノ・ガルベス。96年セリーグ最多勝投手。
一躍巨人のエースに躍り出るも98年夏、審判に向かってブラッシュボールを投げつけ無期限出場停止。
そして2000年秋、グラビア界で井川遥が旋風を巻き起こし、ダフトパンクが「ワン・モア・タイム」と新世紀へのアンセムを鳴り響かした頃、彼はひっそりと巨人を去った。
NPB通算成績46勝43敗、防御率3.31。
キレキャラながら「カルシウムブソク、シテイマセンカ?」なんて日本酪農乳業協会CMに出演し人気を博したカリブの怪人。

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