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「MLB落ちの選手は獲りたくない」。スアレス、モイネロら発掘したホークス異色スカウトの矜持

2022/04/14

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Getty Images, 産経新聞社



福岡ソフトバンクホークス最新情報

 2022年シーズンも開幕した。スタジアムには観衆も戻り、延長戦の復活など野球界も徐々に当たり前だった日常を取り戻しつつある。そして、福岡ソフトバンクホークスの日本一を取り戻す戦いもまた始まった。多くのチームがコロナ禍で外国人選手を取り巻く環境に泣かされたように、ホークスの誇る外国人選手も昨季は本来の力を見せつけられなかった。今季は、新時代のホークスを担うべく4人の外国人育成選手が海を渡ってきた。その4人を獲得し、ドミニカ共和国を拠点にスカウト活動を行っている萩原健太・中南米担当スカウトに、新加入選手の舞台裏、スカウト活動へのこだわりなどを伺った。

 

 

新たに獲得した4選手の魅力は?

 昨年度もコロナの影響で活動は制限されましたが、徐々にコロナ前の状況に戻りつつあります。昨年、特に足を運んだのはメキシコ、コロンビア、そしてドミニカ国内は特に力を入れて周りました。コロンビアに行ったのは政情不安の隣国ベネズエラから選手が流れてきているからです。一方で、国内リーグの活動がストップし、コロナ防疫の厳しいキューバには足を運べませんでした。
 
 そんな中で4人の育成選手を獲得しました。うち3人がドミニカ人選手です。スカウトになって8年目でようやくドミニカ人選手を獲得できたのは感慨深いです。こちらの関係者からは「何でお前はドミニカ人を獲らないんだ」と常々皮肉を言われていましたので(苦笑)。タイミングの問題もありますし、いい選手がいれば国籍は関係ありません。ジュリスベル・グラシアルのように完成された選手を獲得するよりも、こういう可能性の未知数な選手を獲得する方が個人的にはやりがいを感じます。

 まず、マイロン・フェリックス(投手・22歳・ドミニカ共和国出身・右投右打)は年齢的にも4選手の中で一番早く支配下登録される可能性が高いでしょう。MLBのアカデミーに所属していた経験もない選手がこの年齢までプロを目指し続けるのは珍しいケースで、まさに隠し玉という存在です。18歳まで外野手をしており投手経験は浅いですがストレートの速さは魅力十分です。
 
 マルコ・シモン(外野手・17歳・ドミニカ共和国出身・右投右打)とフランケリー・ヘラルディーノ(内野手・17歳・ドミニカ共和国出身・右投両打)の2人に共通しているのは、まだ線が細いですが野球IQが高いところです。まずは2~3年くらいかけてしっかりと土台作りをしてもらいたいです。
 
 そして、アレクサンダー・アルメンタ(投手・17歳・メキシコ出身・左投左打)は、この年齢ですでにメキシコリーグでプロデビューしている逸材で、日本の高校生のドラフト1位レベルの選手と比べても遜色ないと思います。

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