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2021年パ・リーグMVPは? オリックス・山本由伸&宮城大弥の二枚看板、吉田正尚&杉本裕太郎の両主砲も

2021/12/11

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パ・リーグMVPの行方は?

 今季のパ・リーグは、オリックス・バファローズが25年ぶりのリーグ優勝を達成。日本シリーズは2勝4敗で惜しくも敗退となったが、全6戦で接戦を演じるなど互角の戦いを繰り広げた。
 
 躍進の立役者となり、MVPの最有力と目されるのが、日本のエース・山本由伸投手だ。高卒5年目のシーズンとなった今季は、自身初の開幕投手を務め、抜群の安定感を発揮。5月こそ打ち込まれる試合が続いたが、翌月からは鬱憤を晴らす好投を見せた。さらに、今夏の東京五輪でも「侍ジャパン」のエースとして初戦、準決勝に先発。大会防御率1.59(11回1/3、2失点)と期待通りの結果を残して世界一の原動力となり、右投手部門のベストナインに輝いた。後半戦でも、5月28日の東京ヤクルトスワローズ戦から白星を重ね続け、球団新記録となる15連勝を達成。6月度から4ヶ月連続月間MVP選出と圧巻の投球を継続した。最終的に26試合(193回2/3)を投げ、18勝5敗、勝率.783、6完投4完封、206奪三振、防御率1.39、WHIP0.85を叩き出し、投手4冠(最優秀防御率、最多勝、最高勝率、最多奪三振)を受賞。さらには満場一致での沢村賞、ゴールデン・グラブ賞にも輝いた。また、ポストシーズンでも大事な試合の先発マウンドを託され、変わらず打者を圧倒していた。

 対抗馬の筆頭となるのは、球界屈指の打撃技術を誇る中心打者・吉田正尚外野手だろう。昨季首位打者に輝いた打撃職人が、今季も打線を牽引。開幕から安定して好成績を残し続け、5月度には月間MVPに選出された。また、今夏開催の東京五輪でも全5試合に3番打者として出場。大会打率.350(20打数7安打)をマークし、世界一に大きく貢献した。優勝争いを繰り広げていた後半戦も好調を維持していたが、9月に左太もも裏の筋損傷、10月に右尺骨の骨折と2ヶ月連続で負傷離脱。最終的に110試合出場、打率.339、132安打、21本塁打、72打点、OPS.992(出塁率.429+長打率.563)をマークし、打撃2冠(首位打者、最高出塁率)を受賞したが、リーグ優勝の瞬間をグラウンドで迎えることはできなかった。しかし、驚異的な回復力を見せ、ポストシーズンで戦列復帰。日本シリーズでは、第1戦で試合を決める一打を放つなど故障明けとは思えぬ存在感を発揮した。

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