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【データで選出7・8月月間MVP】オリックス・山本由伸がまたも投手トップ。ロッテ・藤原恭大は惜しくもトップを逃す

2021/09/06

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オリックス・山本がまたも断トツ。ソフトバンクの外国人投手陣も奮闘

 投手の評価も質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、「ゴロかフライかライナーかといった打たれた打球の種別」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出する。


 

 投手では、パ・リーグで山本由伸(オリックス)、セ・リーグで柳裕也(中日)がそれぞれ9.5点、7.3点と最も多くの失点を防いだ。本企画は今季これで4度目の発表となるが、山本はこれで3度目のトップ。パ・リーグ投手部門トップをほぼ独占状態にしている。
 
 山本はこの期間においてもほとんどの分野で、ほかの投手に大きな差をつくっている。三振を奪う能力、与四球を与えない能力はもちろんだが、この7・8月はゴロを打たせる能力の高さも際立った。山本は発生した打球の59.3%をゴロにすることに成功(平均は約45%)。これはランキング内トップの数字だ。
 
 ゴロは一・三塁線を抜ける打球を除くと、長打になることがほとんどない。当然、本塁打もゴロ打球では発生しない。打者からすると、山本はそもそもバットに当てること自体が難しい投手だ。これに加えてバットに当たったとしてもほとんどがゴロになるとすれば、当然攻略は極めて困難となる。ほかにはライデル・マルティネス(中日)、大貫晋一(DeNA)もこのゴロ率の分野で好成績を残していた。
 
 ほかにはニック・マルティネス、カーター・スチュワート・ジュニア、コリン・レイと、ソフトバンクの外国人投手のはたらきが目立っている。だがこのうち、レイについては五輪による休止期間中に退団が発表された。リーグでも上位に入るはたらきを見せていた投手だけに、チームへのダメージは大きいかもしれない。
 

 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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