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MLBでも巻き起こる「試合ボイコット」の流れ。 アスリートたちが胸中を吐露

2020/08/30

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 米国で渦巻く黒人差別反対運動は、MLBにも大きな動きを呼んでいる。8月23日(日本時間24日)に起きた、警察によるジェイコブ・ドレイクさんへの銃撃という出来事を受け、改めて差別反対の動きが加熱。試合を自らの意思で欠場する選手や、チームとして試合を行わない決断をするケースも見られている。MLBでは27日(同28日)、計14チームが試合をボイコットした。公式サイト『MLB.com』は28日(日本時間29日)、球界関係者のコメントをまとめている。
 

 
 シティ・フィールドでは、マイアミ・マーリンズとニューヨーク・メッツのナインが、42秒間の黙祷。黒人として初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソン氏の背番号にちなみ、思いを馳せる時間をとった。その後、マーリンズのルイス・ブリンソン外野手が「ブラック・ライブズ・マター」のTシャツをホームベースに被せた。ブリンソンは「この運動を終わったものにしてはいけない」と語った。
 
 デトロイト・タイガースの指揮官ロン・ガーデンハイア監督はこの日の試合前ミーティングで、選手に「今日、プレーしたいか?」と問いかけた。話し合いの末、「今日プレーすることが正しいことだとは思わない」という意見がまとまり、試合をボイコットすることを決めたという。
 
 オークランド・アスレチックスも試合をボイコット。マーカス・セミエン内野手は「僕たちがプレーしている街は、正しい世の中のあり方を求めて戦い続けてきた。今も、僕たちは挑戦しているし、多くのファンが支持してくれることも知っている」とコメント。そしてボイコットする理由は、「今夜は僕たちにスポットライトを当てる日ではない。今この国で何が起きているのか、学ぶ日にしてほしい」と語った。
 
 賛否両論が渦巻く、スポーツ選手による社会への意思表示。誰も悲しみの涙を流すことなく、純粋に競技を楽しむことができる日は来るだろうか。