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がん克服のベティスがヤンキースとマイナー契約 16年には先発で自己最多14勝

2020/02/18

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パイレーツ右腕タイオンも同病から復活

 ニューヨーク・ヤンキースが、コロラド・ロッキーズからフリーエージェント(FA)となっていたチャド・ベティス投手を獲得した。地元メディア『New York Post』が16日(日本時間17日)、伝えている。
 

 
 ヤンキースはロッキーズからFAとなっていたベティスとマイナー契約を締結。招待選手として春季キャンプへ参加し、メジャーを目指すことになる。また、ベティスにとってはこれが初の移籍経験となる。
 
 10年にロッキーズからドラフト2巡目(全体76位)で指名されプロ入りしたベティスだが、メジャーの壁は高かった。右肩の故障を乗り越えて13年にデビューするも、防御率5.64と振るわず。翌14年は救援21登板で防御率9.12と、メジャーでは優れた結果を残せずにいた。
 
 しかし、16年には32先発で14勝8敗、防御率4.79と急成長。一躍チームの勝頭となった。だが、同年オフに精巣がんが発覚する。即座にがん切除手術を受け、手術は成功。翌17年8月にはグラウンドに帰還した。スタンディングオベーションの中、本拠地クアーズフィールドで復活を遂げ、大きな感動を呼んだ。
 
 昨季は再び救援での登板が中心となり、39登板で1勝6敗、防御率6.08の成績。しかし、打球が飛びやすい高地コロラドに位置するクアーズフィールドからは“下山”となるため、他球団では成績が上向く可能性もある。また、先発と救援両方の経験があることは新天地でも活きるだろう。
 
 ヤンキースは選手層こそ厚いが、先発陣には故障歴のある投手も多く、既にジェームズ・パクストン投手が腰の手術で離脱。昨季のように故障者続出の緊急事態となれば、シーズン途中でベティスの加入が大きなプラスとなるかもしれない。
 
 MLBでは病から復活した選手も少なくなく、昨年白血病を克服し、ロベルト・クレメンテ賞を受賞したカルロス・カラスコ投手(インディアンス)、ベティスと同じく精巣がんを克服したジェイムソン・タイオン投手(パイレーツ)などがいる。彼らの活躍が、同じ病を抱える人々にとって大きな励みになるだろう。