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“二刀流”新ルールでエンゼルス・大谷翔平の価値は急上昇、ルールによるメリットとは

2020/01/31

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IL入りでもプレー可能、投手枠も柔軟に

 今季から二刀流選手に関する新たなルールが適用されるメジャーリーグ。二刀流復帰予定であるロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手について、米公式サイト『MLB.com』が30日(日本時間31日)、特集記事を発表している。
 
 昨年、MLB機構と選手会は新ルールに合意。今季からは1枠増加の26人制ロースターとなり、「投手」と「野手」、そして「二刀流(Two-Way-Player)」に区分されることになる。”大谷ルール”とも呼ばれる新たなルールが追加されることになった。
 
 二刀流選手として登録されるには、現シーズン、あるいは前年シーズンにおけるメジャーリーグ公式戦で投手として20イニング以上、野手あるいは指名打者(DH)として20試合以上(各試合最低3打席)以上に出場することが条件となる。同サイトによると、大谷は昨季靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)の影響で登板しなかったが、一昨年の実績が認められ、特例で「二刀流」登録となる可能性があるという。
 
 この新ルールについて、エンゼルスのビリー・エプラーGMは大谷にとって有利なものになると考えているようだ。二刀流選手は投手として負傷者リスト(IL)に入りながら、野手としては起用可能となる。つまり、もしリハビリ明けの投手・大谷がIL入りしても、打者・大谷がDHとしてチームに残りつつ、マイナーリーグでピッチングの調整が可能であるということだ。
 
 また、米メディア『ジ・アスレチック』のジェイソン・スターク記者によると、今季から採用される26人制ロースターで、投手の登録人数が最大13人に制限される見通しだ。二刀流選手の大谷はそこに含まれないため投手枠を実質1人分空けることが可能。先発投手を務める予定の大谷だが、投手枠にカウントされないため、ロースター整理が柔軟になるといったメリットもある。
 
 さらに、今季から二刀流登録していない野手の登板について、規定が設けられることとなった。野手の登板が難しくなったことで、他の二刀流が頭角を現すまでの間、投手枠を節約できるのは、大谷を擁するエンゼルスの特権となりそうだ。
 
 エンゼルスは今季から球界屈指の策士として知られる名将ジョー・マッドン氏が監督に就任しており、大谷の起用についても期待されている。1年目は球界に衝撃を与えた大谷だが、今季はキャリアハイの活躍ができるだろうか。新ルールが与える影響に注目が集まりそうだ。
 
 なお、二刀流選手としてはタンパベイ・レイズのブランドン・マッケイ投手、シンシナティ・レッズのマイケル・ローレンゼン投手らが活躍。しかし、マッケイはDHでの出場機会があまりなく、ローレンゼンに至ってはDH制度のないナ・リーグ所属だ。彼らの起用法の変化からも目が離せない。