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オリオールズの決断と思惑に不満も……元中日チェンの予期せぬマイナー降格

現地時間15日、8回無失点で登板を終えてローテーションを守ってきた投手が1Aへの降格を言い渡された。その決断はシーズン終盤を見据えたものと、同時にチームの思惑も見え隠れする。

2015/06/18

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見え隠れするチームの思惑と判断

「話し合いの末、チェンは納得してくれた」とショーウォルター監督は語ったが、本人は納得していなかったようでツイッター上でも不満をもらしている。これまでツイッターのアカウントを持っていたものの、さほど発言することもなく、英語でのツイートもほとんどなかった中で、下記のようなメッセージがツイートされた。

“I am in excellent physical shape. I feel great and I am ready for my next start. I just pitched 8 innings of shutout baseball. I am disappointed my routine is being interrupted. I will continue to work hard and do my best to perform. Thank you for all the support!”
「体の状態は非常に良い。調子も良く、次の登板に向けて準備ができている。8回無失点の投球を終えたところだ。自分のルーティンがさまたげられ、とても残念だ。最高のパフォーマンスを出すために変わらず全力を尽くしていく。いつも応援ありがとう」

 地元紙『The Baltimore Sun』ではチェンのマイナー調整によって生まれた「副産物」についても綴っている。6月15日までにメジャー昇格がなければ、オプト・アウトの選択権を保持していたクリス・パーメリーの存在だ。FAにさせるつもりはなかったオリオールズは、選手枠を空けるための動きを模索していた。それがチェンのマイナー降格というサプライズ人事へとつながった。

 両選手はともに代理人のスコット・ボラスと契約している選手でもある。ボラスはオリオールズの決断に不満をあらわにした。「30年間自分が関わってきた中でこのような事を見たのは初めてだ」とも話した。

 だが実は2013年、2014年にも状況は違うが、パフォーマンスに関係なくチェンはマイナーへオプション降格されたことが2度もあった。

 当時はスコット・ボラスが代理人を務めていなかったが、オリオールズと契約を結んだ際に含まれてしまったマイナーオプション降格という条項。今回の1Aマイナー降格はチームが持っている権利を最大限に利用したまでのことだ。

 チェンに非があるわけでもなければ、チームに非があるわけでもない。ただ今季終了後にはFAの権利を持つ彼にとってはオリオールズが残留を望んだとしても、来季以降の所属先への大きな判断材料になることは間違いないだろう。

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出典:Orioles option Wei-Yin Chen to minors, call up Chris Parmelee by KEVIN GAUSMAN in ESPN.com on June 16, 2015

Wei-Yin Chen unhappy with being optioned one day after gem by DAN CONNOLLY and EDUARDO A. ENCINA in The Baltimore Sun on June 16, 2015

Wei-Yin Chen is not happy about his demotion and he may have a point by CHRIS CWIK in Big League Stew on June 16, 2015

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