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”第二のコール”はこの男! 19連勝記録の剛腕とメッツ右腕のボールは94%一致?

2019/10/28

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 ヒューストン・アストロズのゲリット・コール投手は、今季5月からポストシーズンまで破竹の自身19連勝(勝ち負けつかずの試合を含む)を記録。今オフの動向も注目されるが、他チームには”第二のコール”となりそうな先発右腕がいる。ニューヨーク・メッツのザック・ウィーラー投手だ。『MLB.com』が27日(日本時間28日)、特集して伝えた。
 
 コールは29歳の右腕で、2013年メジャーデビュー。初年度から二けた勝利をあげるが、ピッツバーグ・パイレーツ在籍の最後の2年間は防御率3.88、4.26と平凡な数字だった。しかし、2018年にアストロズに移籍して以来抜群の数字。今季は20勝、326奪三振を記録した剛腕だ。
 
 一方のウィーラーも29歳の右腕で、同じ年にメジャーデビュー。3度の二けた勝利を誇る安定感のあるスターターで、今季も11勝8敗とチームの軸となった。コールほどの派手さはないが、200イニング近くを投げ切る馬力もあり、注目されている。
 
 193センチという身長も共通点の両右腕の投じるボールは、MLB全体を見ても似通った球質のようだ。データサイト『MLBサーバント』は、ボールの速度と変化量を数字で表現。結果としては、コールの全投球のうち94%がウィーラーのものと同程度の球速・変化量だったということだ。
 
 投じる球種は直球、シンカー、スライダー、カーブ、チェンジアップで一致。それぞれの投じたボールを球速と変化量でマッピングしたグラフは酷似したものとなった。直球を比較すると、球速では0.3マイル(約0.48キロ)しか変わらずも、コールの方が変化量が少なく、打者からすると浮き上がるような軌道であることがわかった。
 
 投げている球は似通いながら、結果では差のある両投手。『MLB.com』は、ウィーラーがコール並みの成績を残すためのカギを分析した。それは、球種ごとの投球割合だ。コールはアストロズに移籍後、動きの少ない直球の適性を指摘され、回転数の向上に努めた上で投球割合を増やして結果を残した。また、球速差のあるカーブを有効活用する配球も取り入れた。
 
 同サイトは、「コールと同じようにすれば解決というわけではない」と前置きしながら、ウィーラーが一流から”超一流”への仲間入りを果たす可能性を示唆。データを活用した進化の時代が訪れている。