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ヤンキース、リーグ優勝決定Sでアストロズを撃破するカギは “したたか”戦術で「先発3本柱」攻略へ

2019/10/12

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地区シリーズで苦戦したアストロズ、タイトな日程がジワジワ影響?

 ニューヨーク・ヤンキースとヒューストン・アストロズによるアメリカン・リーグ優勝決定シリーズがあす12日(日本時間13日)に開幕する。「最強の先発3本柱」を擁するアストロズに対して、ヤンキースはどのような戦いぶりを見せるだろうか。
 
 ヤンキースはミネソタ・ツインズとの地区シリーズを3連勝でスイープし突破。リーグ優勝決定シリーズでは、2017年に同シリーズで敗れているアストロズと対戦する。
 
 アストロズは、メジャー最強と言っていい「先発3本柱」が強み。今季21勝&300奪三振のジャスティン・バーランダー投手、20勝&326奪三振のゲリット・コール投手、そしてアリゾナ・ダイヤモンドバックスとアストロズで計18勝を挙げたザック・グレインキー投手が、シーズン306本塁打を放ったヤンキース打線を封じにかかる。
 
 米公式サイト『MLB.com』では、この3投手が今季ヤンキースで残した成績を以下のように紹介。
 
 バーランダー:2試合(1勝0敗) 防御率4.15 13投球回 15奪三振 被打率.224
 コール:1試合(0勝0敗) 防御率3.86 6投球回 6奪三振 被打率.167
 グレインキー:2試合(1勝0敗) 防御率2.13 12&2/3投球回 14奪三振 被打率.163
 
 ともに負けは無し、内容でも打ち込まれるという試合にならず、強力打線を擁するヤンキースに対しても驚異になることは間違いない。そんな中で、同サイトでは、勝利のポイントとして「先発により球数を投げさせる」ことを挙げている。
 
 今ポストシーズン、レギュラーシーズンでメジャー最多の107勝を挙げたアストロズは、地区シリーズでワイルドカードのタンパベイ・レイズに苦戦。2勝2敗で最終第5戦までもつれ込み、本拠地で意地を見せて突破を果たした。
 
 その地区シリーズで、バーランダーは第1戦と中3日での第4戦に先発。それぞれ100球、84球を投じた。コールは第2戦と中4日での第5戦に先発し、それぞれ118球、107球。そして第3戦に先発したグレインキーは、4回途中まで61球を投げ6失点で降板を余儀なくされた。
 
 レギュラーシーズンでの戦いとは異なり、より狭い間隔で投げることになるポストシーズン。同サイトはそのルーティーンが「継続されることで、今後の戦いに影響を与えるかどうかは興味深い」と見解を示し、同時にヤンキース打線が今季アストロズの先発投手に対して1打席当たり4.11球を投げさせていることに着目しながら「早い段階で球数を増やす」ことがカギとした。
 
 しかし、アストロズはリリーフ陣も好調。先発投手陣に比べると「アキレス腱」と思われるポジションではあったが、レイズとの地区シリーズでは本来先発のウェイド・マイリー投手が2回2/3を投げ3失点(自責2)だった以外、ライアン・プレスリー投手らリリーフを本職とする投手陣は計10回1/3で防御率2.38だった。
 
 そして同サイトではマイリーがリーグ優勝決定シリーズではロースター入りしない可能性にも言及し、その代わりにブラッド・ピーコック投手とブライアン・アブレイユ投手を登録させることでブルペンを強化させる姿勢であることを伝えている。先発陣に加えて、ブルペンも更に強化されるとなると、ヤンキースにとっては大きな試練となるだろう。
 
 それでも、先発陣に比べればやはりリリーフ陣の方が戦いやすいはずだ。ヤンキースはツインズとの地区シリーズで3戦で計23得点。そのうち中盤5回以降での得点が計10点に上るということもあり、中盤から終盤にかけてリリーフ陣を攻め続ける地力をアストロズ戦でも見せ続けることができれば、シリーズ突破も俄然見えてくる。
 
 そのためにも、今ポストシーズンでチーム首位打者(打率.417)のグレイバー・トーレス内野手らを中心に早い段階で先発投手に球数を多く投げさせることがどんなスコアでも重要なポイントであることに変わらない。