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ナ・リーグのサイ・ヤング賞は三つ巴 2年連続デグロムの可能性…ライバルは柳賢振とシャーザー

2019/10/12

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勝利数は11勝、相変わらずの無援護も光る255奪三振

 ニューヨーク・メッツのジェイコブ・デグロム投手に、2年連続でのサイ・ヤング賞受賞の可能性が浮上している。米公式サイト『MLB.com』が11日(日本時間12日)、特集記事を発表している。
 
 ジャスティン・バーランダー投手、ゲリット・コール投手のアストロズコンビでのサイ・ヤング賞レースが話題になっているアメリカン・リーグ。その一方で、ナショナル・リーグでも、メジャーを代表する剛腕投手が2年連続で名誉に輝く可能性が出ている。
 
 その投手とはメッツでエースを務めるデグロムだ。昨季は防御率1.70と凄まじい成績を残して見事自身初のサイ・ヤング賞を受賞したデグロムだが、今季も好調を維持。32先発で11勝8敗、防御率2.43、204回を投げて255奪三振と圧倒的な成績を残した。
 
 奪三振数はナ・リーグ最多で、昨季(防御率)に続いて投手タイトルを獲得。もし、2年連続での受賞となればマックス・シャーザー投手(ワシントン・ナショナルズ)が2016年から17年にかけて達成した快挙をデグロムも成し遂げることになる。
 
 しかし、そのシャーザーがライバルの1人になっている。同サイトによると、サイ・ヤング賞獲得へ向けてのライバルとしてはシャーザーと柳賢振(ロサンゼルス・ドジャース)が挙げられており、主にこの2人との三つ巴となるという。
 
 シャーザーは今季、鉄腕で知られるエースにしては珍しく長期離脱を経験。それでも27先発で11勝7敗、防御率2.92、172回1/3を投げて243奪三振と絶好調。奪三振率の高さも相変わらずで、自慢の剛速球を武器に打者を圧倒していた。
 
 一方の柳は後半戦でやや失速したものの、29先発で14勝5敗、防御率2.32、182回2/3を投げて163奪三振とキャリアハイの成績。防御率は両リーグを通じてトップの数字で、自身初の投手タイトル獲得となった。
 
 デグロムは投球回数と奪三振数で2人と差をつけている。しかし、3人の中では防御率、勝利数ともに柳がリードしており、サイ・ヤング賞投手を決める投票は接戦となる可能性もある。
 
 もし、デグロムがサイ・ヤング賞2度目の受賞となれば史上20人目の複数回受賞者に。2度受賞した投手の中にはトム・グラビン氏(アトランタ・ブレーブスなど)、故ロイ・ハラデイ氏(トロント・ブルージェイズなど)ら殿堂入り投手も存在している。
 
 今季終了時点で通算66勝と殿堂入りは厳しいともいえるデグロムだが、その実力がこれまでの複数回達成者と肩を並べるのは間違いない。全盛期真っ只中のエース右腕は、今季もサイ・ヤング賞に輝けるだろうか。