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アストロズにサイン盗み疑惑…昨年10月にも指摘、元レイズ投手証言の信ぴょう性はいかに

2019/10/11

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 ヒューストン・アストロズは10日(日本時間11日)、アメリカン・リーグ地区シリーズでタンパベイ・レイズに勝利。3勝2敗としてリーグ優勝決定シリーズへの進出を決めたが、またしても敵のサインを盗んでいたとの疑惑が浮上している。米メディア『スポーティング・ニュース』が同日、伝えた。
 
 同メディアの記事によると、レイズで以前プレイした元メジャーリーガーのセス・マクラング氏がテレビ出演し、アストロズのサイン盗み疑惑を指摘。根拠となるのは、レイズのバッテリー間でのサイン交換だ。
 
 通常、走者がいない場合のサイン交換は、捕手が両足の間で右手を使い、次に投げたいと考える球種などを示す。しかし、このサイン交換は走者からは丸見えで、塁上からサインを見て打者に伝達する手法は野球界で問題化している。この状況を打破するため、バッテリーは、走者が塁上にいる場合に複数のわかりにくいサインを用いることがある。
 
 マクラング氏の指摘によると、地区シリーズ第5戦でのレイズバッテリーは、走者なしの場面でも複雑なサイン交換を行っていた。つまり、アストロズがカメラを仕掛け、走者に球種などを伝達していると考えているため、見抜かれやすい単純なサイン交換を避けたとの考え方だ。
 
 この指摘はまだ根拠が浅く、これ以降の調査の可能性も残る。しかしながら、アストロズを始め、MLB球団の複数チームは近年、サイン盗みを指摘される場面が絶えないのが現状だ。
 
 アストロズは昨年のアメリカン・リーグ優勝決定シリーズで、職員が対戦相手のベンチをカメラで撮影していた場面が指摘された。結果的には根拠に乏しく、”おとがめなし”となったこのケースだが、昨年は同様にロサンゼルス・ドジャースにも疑惑が浮上していた。今後の調査次第では、アストロズに制裁が下される可能性もある。
 
 スポーツマンシップに反する行為として、問題化しているサイン盗み。テクノロジーの高度化に伴い、情報戦も激化している。世界中に夢を与えるMLBの舞台が、クリーンなアスリートの競争によって成り立つことを期待したい。