大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



激戦の予感漂う7月。ア・リーグ東地区3強は直接対決多し ヤンキースをレイズ&レッドソックスが猛追へ

2019/07/03

text By

photo

Getty Images



底力侮れないレッドソックス。直接対決が最も少ない

 地区3位と今ひとつ伸びていないレッドソックスだが、夏から秋にかけて底力を発揮する怖さは拭いきれない。昨季の世界一チームはそう簡単に引き下がらないだろう。
 
 チーム打率.271は2日現在メジャー30球団でトップ。.266のヤンキースをしのぐ数字で強力打線ということは間違いない。2桁本塁打をマークしているのは18本の主砲J.D.マルティネス外野手を筆頭に7人。中でも3年目のラファエル・デバース内野手は14本塁打の長打力に加え、チームトップの.329の高打率を誇りチームを引っ張っている。この他にも、昨季の最優秀選手賞(MVP)ムーキー・ベッツ外野手、ザンダー・ボガーツ内野手、ルーキーながら打率.261、14本塁打、44打点と活躍するマイケル・チェイビス内野手と粒ぞろいだ。
 
 ヤンキース同様、レッドソックスも課題は投手陣。先発はエース左腕のクリス・セール投手が3勝7敗、防御率3.82と勝ち星が伸びていない。チームの勝ち頭は8勝、防御率4.79のエデュアルド・ロドリゲス。それに次いで勝ち星の多い先発投手は6勝のデビッド・プライス、5勝のリック・ポーセロ、以下は3勝未満にとどまる寂しさが現状だ。
 
 先発の勝ち星が少ないのはリリーフ投手の影響を受けているからだ。チームで2番目に勝ち星が多いのはリリーフ投手のブランドン・ワークマンで7勝、次いでマーカス・ウォルデンも6勝を積み重ねている。とはいえ、彼らの防御率が悪いわけではない。ワークマンは40試合を投げて1.70、ウォルデンは34試合を投げて3.48とむしろ優秀な数字だ。問題はその他のリリーフ陣。防御率4.93のマット・バーンズ、同4.21のコルテン・ブリュワーといった投手がここぞの場面で失点し、接戦を落とす試合が目立つ。絶対的なクローザーが不在なのも問題だ。
 
 レッドソックスの7月のスケジュールは以下の通り。(日付は現地時間、※はビジター)
 
3日~4日 トロント・ブルージェイズ※
5日~7日 デトロイト・タイガース※
8日~9日 ホームランダービー、オールスターゲーム
12日~14日 ロサンゼルス・ドジャース
15日~18日 トロント・ブルージェイズ
19日~21日 ボルティモア・オリオールズ※
22日~24日 タンパベイ・レイズ※
25日~28日 ニューヨーク・ヤンキース
30日~8月1日 タンパベイ・レイズ
 
<レッドソックスのヤンキース、レイズとの今季対戦成績>
対ヤンキース 7試合1勝6敗
対レイズ   9試合4勝5敗
 
 レッドソックスは、同地区のヤンキース、レイズとの試合が計7試合と最も少ない。さらに他は同地区下位ののブルージェイズ、オリオールズ、ア・リーグ中地区4位のタイガース戦と下位チームとの試合が多い。ここで何とか勝ち星を確実に積み重ねていきたい。ヤンキース、レイズ以外の強豪といえば、何といってもドジャース。昨年ワールドシリーズで争ったドジャースは投打に充実し勝率はメジャートップの勝率(.667)を誇る。幸いにもホームでの対戦となるだけに、熱狂的なファンの声援を背に勝ちをもぎ取って上位進出を狙いたい。
 
 疲労が溜まる夏場にして、激戦の予感漂う7月。ヤンキースが首位を守るのか、それともレイズ、レッドソックスが逆転するのか。まずは直接対決でどれだけ勝てるかが大きなポイントになる。

1 2 3