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MLB欧州初戦はまさかの超大乱戦!両軍計37安打&30得点 ヤンキース田中将大が1回持たず最短6失点KO

2019/06/30

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初回の攻防だけでスコア6-6、所要時間は58分「アンビリーバブル」

 ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が29日(日本時間30日)、英国ロンドンのロンドンスタジアムの特設球場で行われたボストン・レッドソックスとの「ロンドンシリーズ」第1戦に先発登板したが、1回持たず6失点と崩れた。
 
 メジャーリーグ史上初のヨーロッパ開催となる公式戦「ロンドンシリーズ」の記念すべき“開幕戦”を託された田中。しかし、その登板はまさかの結果となった。
 
 ヤンキースは初回、レッドソックス先発のリック・ポーセロ投手に対してルーク・ボイトの先制適時二塁打、アーロン・ヒックス外野手の第6号2ラン本塁打など4者連続長打で一挙6得点。いきなり試合の主導権を握った、かのように思われた。
 
 一方、大量援護をもらった田中も立ち上がりから苦戦を強いられる。先頭打者に左前安打とされると、続くラファエル・デバース内野手には一塁線を抜ける二塁打を浴びる。そしてファールエリアが広いことから、打球が転々とする間に一塁走者のムーキー・ベッツ外野手に一気に生還を許した。
 
 田中はこの後も2者連続四球を与え満塁とすると、1死後に犠飛、適時打を浴び2失点。なおも一、二塁からマイケル・チェイビス内野手に中堅バックスクリーンへ3ラン本塁打を浴び6-6の同点とされた。
 
 まさかの6失点を喫した田中はここで降板。メジャーデビュー以来最短となる2/3回、37球(ストライク24球)を投げて被安打4(本塁打1)、与四球2、奪三振0、失点6の内容で防御率は3.74となった。
 
 この両先発の大乱調には、現地中継を行った米国のテレビ局『FOX』の放送席では「アンビリーバブル(信じられない)」と声が挙げるほど。試合開始から初回の両軍の攻撃を終えてるまで58分を要したが、しかしそれはその後の大乱戦の予兆にすぎなかった。
 
 2回は両チーム無得点に終わったものの、3回から再び試合が激しく動く。ヤンキースがブレット・ガードナー外野手の第12号2ラン本塁打で8-6勝ち越すと、4回には「(球場が狭く)たくさんの“楽しみ”ができる」と語っていたアーロン・ジャッジ外野手の第7号2ラン本塁打などで6点を追加し14-6。さらに5回にも3点を挙げ17-6で試合前半を折り返した。
 
 この時点ですでに5投手を送り込んで防戦一方となっていたレッドソックスだが、6回から反撃に転じる。まず6回にジャッキー・ブラッドリーJr.外野手のソロ本塁打で1点を返すと、続く7回にはチェイビスがこの日2本目、6打点目となる3ラン本塁打を放ちついに10得点目。その後も押し出し四球と2本の適時打で加点しこの回一挙6得点で17-13と4点差に迫った。
 
 しかし、両軍の打撃戦はここまで。終盤はともにリリーフ陣が踏ん張り、最後はヤンキースが9回を任されたクローザーのアロルディス・チャップマン投手が無失点に抑えて、そのまま17-13で4時間42分に及ぶ大熱戦を制した。なおヤンキースはチームとして30試合連続本塁打とメジャー記録を更新している。
 
 英国初開催となった試合は、両チーム8人ずつ計16人の投手を要し、6本塁打を含む計37安打、30得点と「超」がつく大乱戦。サッカー、クリケット、ラグビーなどのスポーツが主に盛んで、野球に親しみが少ないとされる英国人に野球がどのように映ったのか。同シリーズは翌日も開催されるが、残り1試合では再び野球の魅力が伝わることが期待される。

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