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カージナルス、期待の23歳がメジャー初打席初本塁打 ビデオ判定の末に大歓声「非現実的」

2019/04/20

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仲間からはサイレントトリートメントの歓迎

 セントルイス・カージナルスのレーン・トーマス外野手が19日(日本時間20日)、本拠地ブッシュ・スタジアムでのニューヨーク・メッツ戦でメジャー初打席で初本塁打を放つ快挙を達成した。
 
 カージナルスは1-5と4点を追う6回、メッツ2番手のセス・ルーゴ投手に対して1死からデクスター・ファウラー外野手が二塁打で出塁すると、2死となって代打としてトーマスを起用した。
 
 メジャー初打席を迎えた右打者のトーマスは、初球の外角低め87マイル(約140キロ)のスライダーを見逃しカウント0-1。続く2球目、同じように外角低めを突いた87.3マイル(約140キロ)のスライダーに対して今度は思い切りバットを振り抜いた。
 
 打球は逆方向の右翼へぐんぐんと伸びていき、右翼スタンドにいる観客が歓声とともに一斉に立ち上がる中、フェンス上部に当たってグラウンドにいる右翼手が捕球。トーマスは二塁ベースで立ち止まり、一旦は二塁打ということになった。
 
 しかし、本塁打か二塁打か審判団が要求するビデオ判定が行われ、その結果、これ以上を越えたら本塁打という境目となっているフェンスの真上に当たっていたことが判明。これにより本塁打が確定し、トーマスは拍手と大歓声に包み込まれながら二塁からホームに生還した。
 
 メジャー初打席で初本塁打という快挙を達成したトーマスは、ベンチ内で仲間たちから「サイレントトリートメント」で歓迎されると、直後にスタンディングオベーションで沸き立つ本拠地ファンに対して右腕を上げてそれに笑顔で応えた。
 
 現在23歳のトーマスは、2014年にトロント・ブルージェイズからドラフト5巡目で指名され入団すると、2017年にトレードでカージナルスに移籍。昨季までメジャー昇格はなくマイナー暮らしが続いたものの、今季はオープン戦で打率.429を残し開幕こそマイナーで迎えたが、17日(同18日)に初昇格を果たすと、自身2戦目となったこの日記念すべき一打を放つに至った。
 
 チームはトーマスのこの2ラン本塁打で2点差に詰め寄り、8回にも1点を挙げて追い上げたが4-5で敗戦。それでも、米公式サイト『MLB.com』によればトーマス自身は「(本塁打は)とてもクールな瞬間だった。みんなが打球を見上げながら、立ち上がって声援を送ってくれていたね。かなり非現実的な事だった。子どもの頃に夢見たものだよ」と興奮冷めやらない様子だった。
 
 カージナルスの外野手は、マーセル・オズーナ、ホセ・マルティネス、そしてファウラーと中堅からベテランがレギュラーを締めているが、23歳のトーマスがこれを機に躍進すれば、一気に選手層が厚くなり攻撃力も増していくことになるだろう。

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