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マリナーズ指揮官が語る、菊池雄星。イチローとの“共通点”とは 日本野球で培った能力で活躍へ

2019/03/24

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メジャー初登板を白星で飾れず、MLB公式は課題指摘も「厳しさに適応」

 日本での開幕シリーズを終えたシアトル・マリナーズの菊池雄星投手のこれからの活躍について、米公式サイト『MLB.com』が23日(日本時間24日)、指揮官の言葉とともに特集している。
 
 菊池は、日本時間21日に東京ドームで行われたオークランド・アスレチックスとの開幕2戦目に先発登板しメジャーデビュー。4回まで3奪三振を奪うなど無失点と力投していたが、5回にピンチでタイムリー安打を浴び、結果的に4回2/3回を投げて2失点(自責点1)と初勝利はお預けとなった。
 
 同サイトは、菊池の投球について「速球とスライダーを組み合わせたコンビネーションは良いが、メジャーリーグに適応し続ける必要がある。そしてそれは時間がかかることを理解している」とし、初登板でアドレナリンが出たことによって、短いイニングで91球に達し疲れが出たと課題を指摘。それでも、現時点で「MLBの厳しさに適応している」との見解も示している。
 
 日本で通算73勝挙げた実績から、同メディアはその潜在能力に高い可能性と期待を寄せており、「典型的な新人ではない」とも表現。海を渡って加入した選手が新しい文化、環境、都市の中で慣れていくことには疑問が浮かぶものだが、スプリングトレーニング(春季キャンプ)や初登板を受けて、それら全ての課題を上手く処理することができると太鼓判を押した。
 
 また、マリナーズのスコット・サービス監督もキャンプの時から菊池の学習能力を高く評価している。「彼はできる限り早くメジャーリーグの試合を学びたいと思っている。非常に熱心に質問もするし、私は彼が彼の仕事についてどのように行っているかに非常に感銘を受けた」とその姿勢を絶賛。カーブやスライダーという球種やストライクを取れる技術以上に、メジャーリーグで長く活躍するために必要な順応性を備えていることが大きく印象に残ったと明かした。
 
 また指揮官は、引退したイチローとの共通点についても言及。「(菊池とイチロー)2人の共通の特徴は、ゲームの敬意。日本の野球では、自分たちの仕事に対してどのように準備し進めていくかという文化が根付いている。これは全ての選手にとって素晴らしい例だ。彼らは我々マリナーズの中で最も準備が整った男たちであり、私たちは彼らがそのようにして育成されてきたことを非常に嬉しく思う」と、日本野球の良さを挙げながら、その中で形成された選手が現在マリナーズに所属しプレーしていることを喜んでいる。
 
 イチローは日本での開幕シリーズを最後に現役を引退したが、菊池にとってはこれからがメジャーリーグのスタート。マリナーズの先発ローテーションを担う左腕として、これからどんな成長を遂げるのか。尽きない探究心とともに、今後のメジャーリーグでの活躍に注目だ。