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ボンズ氏、クレメンス氏は殿堂入り逃す ともに実績十分も薬物疑惑が投票結果に大きく影響

2019/01/23

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 今年のMLBの殿堂入りが発表されたが、実績十分なバリー・ボンズ氏、ロジャー・クレメンス氏は今年も選出を逃した。現役時代の薬物使用疑惑がいまだに尾を引いており、ともに7度目の記者投票となった今年も、選出基準の得票率75%には届かなかった。
 
 ボンズ氏は通算762本塁打、2558四球、688敬遠四球のMLB史上最多記録を持つ大砲。通算打率.298(9847-2935)、1996打点、514盗塁、出塁率.444、OPS1.051を記録するなど、全部門で抜群の実績を誇る。2001年の73本塁打と長打率.863、2004年の232四球(120敬遠)、出塁率.609とOPS1.422はいずれも単年の歴代最高記録となっている。オールスターゲーム選出は14度、MVPも通算7度獲得した。
 
 キャリア初期は安定した守備に加え盗塁数も多く、万能な選手を表す”5ツールプレイヤー”として名を馳せたが、1999年からは長距離打者タイプに移行。史上に名を残す活躍を見せたものの、筋肉増強剤などの薬物を使用していた疑いが浮上していた。
 
 クレメンス氏は7度のサイ・ヤング賞、2度の投手三冠を成し遂げた先発投手で、MLB歴代9位となる通算354勝、同3位となる奪三振4672を挙げた。24年のキャリアのうち19年は二けた勝利、うち6度は20勝を超えるなど、抜群のコントロールを武器に安定した活躍を見せた。しかし、クレメンス氏も2000年前後には複数の薬物を使用してパフォーマンスを向上させていたことが後に判明した。
 
 殿堂入り投票では、引退後5年が経過した選手が投票の対象となり、最初の投票から10年以内に一度も得票率75%に達することができなかった選手は資格を失う。ボンズ氏とクレメンス氏は、過去6度の記者投票では、殿堂入りの選考基準である「誠実さ、スポーツマンシップ、人格」という点で投票を避ける記者が多くなっていた。
 
 しかし、初年度は35.4%、34.7%と低迷したものの、7度目となった今回の投票では、ボンズ氏の得票率は59.1%、クレメンス氏は59.5%を記録。近年はこの上昇傾向から、10年目となる2022年までには75%の壁を越えて殿堂入りする可能性も指摘されている。
 
 薬物使用疑惑という形で輝かしいキャリアに傷を持つ2人の名選手。来年も、またその次も、大きな議論を呼ぶことは間違いなさそうだ。