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メッツ移籍のベテラン・カノーはあと何年活躍できる? 公式サイトが過去の選手たちの成績から分析

2018/12/03

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Getty Images



 ロビンソン・カノー内野手が、シアトル・マリナーズからニューヨーク・メッツに大型トレードで移籍する。米公式サイト『MLB.com』は、2日(日本時間3日)、特集記事を発表。過去の同年代の選手たちとの成績比較を通して、カノーが今後どの程度の成績を残すか予想している。
 
 マリナーズから移籍するのはカノーと、守護神エドウィン・ディアズ投手。加えて、カノーの年俸補填としてメッツに2000万ドル(約22億円)が支払われる。一方のメッツが放出するのはジェイ・ブルース外野手、アンソニー・スウォーザック投手、ガーソン・バティスタ投手、球団の若手有望株ランク3位のジャレッド・ケレニック外野手、同4位のジャスティン・ダン投手の5選手だ。
 
 カノーは今季、右手の骨折や禁止薬物の陽性反応による出場停止もあり、80試合の出場にとどまったが、メジャー屈指の二塁手だ。契約は残り5年1億2000万ドル(約136億円)と超大型。さらに36歳という年齢も相まって、このタイミングでのカノー獲得は果たしてわりに合うのか、という声も上がっている。
 
 公式サイトは、カノーの今後3年間について、過去の選手たちの成績分析から大胆予想している。分析の対象となったのは以下の内野手たちだ。
 
ブレット・ブーン内野手(元マリナーズ他)
ボビー・グリッチ内野手(元ボルティモア・オリオールズ他)
デレク・ジーター内野手(元ニューヨーク・ヤンキース)
ジェフ・ケント内野手(元メッツ他)
ジョー・モーガン内野手(元レッズ他)
ベン・ゾブリスト内野手(シカゴ・カブス)
他5名
 
 36歳のシーズンで規定打席に到達したのは以上のうちわずか3人のみ。全体的に厳しい結果を突き付けられた選手が多かった。しかし、ケントはヒューストン・アストロズに在籍していた2004年に打率.289、27本塁打、107打点と活躍し、MVP投票で13位に食い込んだ。カノーとケントの成績推移は類似点が多く、もしケントからヒントを得ることができれば、来季のカノーは好成績を残すことができるかもしれない。
 
 37歳になってもケントの打棒は健在で、オールスターゲーム選出、シルバースラッガー賞受賞など圧倒的な存在感を示した。また、今季37歳のシーズンを送ったゾブリストは、139試合出場で打率.305、9本塁打、58打点と好成績を残した。
 
 だが、同サイトは、ブーンが開幕ロースターに漏れ、グリッチも引退興行を始めた年齢であることを指摘し、「2020年のシーズン、カノーがゾブリストと同等の成績を残したら、メッツは大喜びするべきだ」と37歳でのカノーの活躍には否定的だ。
 
 さらに、 カノーは38歳を迎える2021年のシーズンで、レギュラー選手として試合に出続けることができないかもしれないとしている。しかし、特例はサンフランシスコ・ジャイアンツに所属していたモーガンだ。34歳のシーズンから出場試合は100試合程度、打率も.250以下と低迷したが、38歳のシーズンに突如復活。134試合出場、打率289、14本塁打、61打点に加え、出塁率.400と、一流の成績を残した。
 
 カノーは実績のある選手であり、今後数年にわたって積極的に起用される可能性は高いが、年齢からくる衰えは避けられないだろう。一流選手たちの成績を振り返ると、30代後半の内野手で、150試合前後に出場し続けることがいかに難しいかが伺える。
 
 複数の若手有望株を放出して獲得したカノーは、メッツの期待に応えることができるだろうか。来季こそ、勝負の1年になりそうだ。