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レッドソックス・イオバルディ、理想の移籍先はアストロズ? 直球の質改善でさらなる飛躍へ

2018/11/29

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 フリーエージェント(FA)となっているボストン・レッドソックスのネイサン・イオバルディ投手の行き先が注目されている。米公式サイト『MLB.com』は28日(日本時間29日)、特集記事を発表し、イオバルディの移籍先としてヒューストン・アストロズが理想的であるとした。
 
 イオバルディは今季、タンパベイ・レイズで開幕を迎えた。開幕直前に右肘関節遊離体の手術を受けていたが、100マイル(約161キロ)に迫る速球を武器に活躍した。7月にトレードでボストン・レッドソックスに移籍し、投手陣を支える存在としてチームの地区優勝に貢献した。
 
 レギュラーシーズンは22試合に登板し6勝7敗、防御率3.81、101奪三振の好成績だった。さらに、FA選手としての価値を大きく高めたのはポストシーズンで、先発2試合を含む6試合に登板し、22回1/3を投げて防御率1.61。抜群の成績で、チームの世界一に大きく貢献した。
 
 投手陣の強化を狙う各チームが獲得に乗り出しているイオバルディだが、『MLB.com』が「完璧な環境」と称したのはヒューストン・アストロズだ。アストロズは昨季世界一、今季も地区優勝を果たした強豪で、特にデータ分析に優れていることで知られている。ジャスティン・バーランダー投手やゲリット・コール投手らも、最新鋭のデータ分析や練習メニューによりパフォーマンスを大きく上げたことで有名だ。
 
 データ分析システム「スタットキャスト」によると、ピッツバーグ・パイレーツに在籍していた頃のコールの直球と、現在のイオバルディの直球は速度・回転数・回転軸といった要素が似ている。
 
 イオバルディの武器は、今季メジャーの先発投手の平均球速ランキング(500球以上投げた投手が対象)で2位を叩き出した直球。アストロズのデータ分析による練習メニューの改善で直球の質が大幅に上昇し、メジャーを代表する投手に登り詰めたコールと同様にステップアップできれば、投手として大きな進化を遂げる可能性がある。
 
 回転軸の矯正、回転数の上昇の他、投球の高さによっても直球の質は高まるということで、イオバルディの剛腕ぶりはアストロズでさらに開花するかもしれない。先発ローテーションの中心を担うダラス・カイケル投手とチャーリー・モートン投手がFAとなっている今、アストロズにとって、先発投手陣の強化は必須項目。イオバルディ獲得の可能性は高まっている。
 
 2度のトミー・ジョン手術を経験した苦労人が、レッドソックスで大きなチャンスを掴んだ今季。アストロズ移籍が決まれば、また大幅にパワーアップした姿を見せてくれそうだ。